gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

銃口

30代の頃、銃口を向けられる夢を何度も見た。そのたびに、私は夢の中で取り乱した。目が覚めると、そんな自分にがっかりした。人間をコントロールしようとする輩は、怖れの感情につけこむ。そんな輩は、死を怖れない人間を怖れる。いや、人間をコントロー…

秋祭り

会社からの帰りに、南青山一丁目の公園から太鼓の音が聴こえてきた。立ち寄ってみると、小さな公園に老若男女何百人もの人が集まって、音頭に合わせて踊っている。その踊りがあまりにも見事にそろっていて驚いた。クールな顔をして、あたりまえのように踊っ…

普遍性と一般性

私たちは「奇をてらう」ことを嫌う。普通とは違うものが欲しい、という気持ちは誰にでもあるが、 「奇をてらう」とは、「わざと普通と違っていることをして人の注意を引こうとする」(コトバンク)ことであるから、欲しいからといって安易につくってはならない…

吉祥寺 カラオケ23

吉祥寺のカラオケ23が完成した。中心部にドリンクサーバーと休憩スペースがある、贅沢な空間の使い方をしている。http://gridframe.co.jp/x03karaoke23.htm ← グリッドフレームのHPはこちらです

看板

新宿二丁目のとあるビル。大きさのそろった看板がひしめいている。統制と自由のはざまで。 ← グリッドフレームのHPはこちらです

子育て

陽向を育てている、という実感がなく、単に一緒に生きているうちにどんどん大きくなっている、という感覚は、私たち夫婦はポジティブに感じているけれど、正直これでよいのだろうか、という不安がないわけではない。考えてみれば、子育てについて、誰も義務…

自転車道

毎日、会社へ歩いて通う道の車道が狭められて自転車道ができた。数百メートルの工事なのに、完成まで半年以上かかったような気がする。もっとも作業が行われていたのはごく短い期間で、しばらく放置されていると思ったら、また工事が進む、みたいに、のろの…

糀谷

東京モノレールから見える大田区糀谷にはかつて訪れたことがある。アメリカから日本へ帰ってきた1996年に、鉄屑(スクラップ)で建物をつくろうと、産廃業者に鉄屑の供給を依頼して回った。そのうちのひとつの会社が糀谷にあったのだ。イエローページに大…

新幹線を上から見る

羽田空港から浜松町へ向かうモノレールの中で景色を眺める。私は、この倉庫街を走る列車が大好きだ。夜もよいし、昼もよい。「外国から東京へ来る人に対し、成田も羽田も東京へのアクセスの魅力が少なすぎる」とは知人の意見だが、尤もだと思うけれども、モ…

久しぶりのテレビ

実家で久しぶりにテレビを観た。久しぶりのテレビは、意外にも、私には刺激が強すぎるように感じられた。ちょうど調味料が多すぎる料理を食べた後の胸焼けのようなものを感じた。日本のほとんどの人がこんなに刺激の強いものに毎日晒されているのだ、と感じ…

私は物心ついて以来、何度も引越しを経験したが、海辺には一度も住んだことがない。高校を卒業するまで、どこに住んだときも、近くには山があった。実家へ帰る飛行機が着陸する前に、阿蘇の山並みを見下ろしながら、山に対する郷愁を禁じえなかった。とはい…

時代

きっとどのような時代にも未来に対する希望はあって、ただそれを抱く人は時代によってタイプが異なるのだろう。私は世の中が停滞しているといわれる今の時代に、ゆったりと仕事に取り組めることが愉しい。世の中のスピードが速いと、私のようなタイプは社会…

洗練

今、中国で、日本人であるという理由だけで突然殴られるという事件が頻発している。この事件を聞いて、私が思い出したのは、熊本の海辺の町で自分に起こったことだ。もう30年くらい前のことだが、私はアフリカで買った派手な布地のTシャツを着て、海辺を歩…

映画 ブロークン・フラワーズ

2005年。アメリカ。ドン・ファンに喩えられるほどのプレイボーイ、ドン(ビル・マーレイ)は、独身のまま、すでに初老の年代に差し掛かっていた。ある日、20年前のガールフレンドからピンクの封筒の手紙が届く。彼女は別れてからドンの子を身ごもったこ…

開いていること

社会人になったばかりの頃、よくグループで遊んでいた。そのときは、男女10人くらいだったろうか、渋谷から浅草まで夜通し歩いて、みんなくたくたに疲れていた。最後に朝飯を食べて帰ろうと、残った5〜6人で吉野家へ入った。テーブル席が空いていたので…

22%の創造性

78:22という不思議な数字については、これまで2度書いた。http://d.hatena.ne.jp/yogosiurubi/20090828http://d.hatena.ne.jp/yogosiurubi/20111204創造性を連鎖させるイメージを理解するには、この数字が切り離せない。まず、ひとつの空間をつくると…

未来と過去の真ん中

日本人の平均寿命からすれば、40代は人生のちょうど真ん中である。30代までは、自分の人生はまるで永遠に終わらないかのごとく感じていた。過去よりも未来の方が圧倒的に多いかのように。しかし、40代になると、いろんなことを逆算で考えるようになる…

小さな死

妻と子供と青山通りを表参道から外苑前の方向に歩いていたら、突然空から生き物が落ちてきた。歩道にたたきつけられて、その瞬間電気が走ったように体が痙攣した。近寄るとツバメの雛だった。弱弱しく動いている。見上げると、店の壁の高いところに小さな巣…

夕空

東京でも、空と呼べる空が見られるときがある。 ← グリッドフレームのHPはこちらです

システムと感性 1

感性を目的とする組織の活動を支えるシステムはどのようなものか?映画制作はひとつの参考になりうるかもしれない。私が好きなタイプの映画は、まるでドキュメンタリーのような、つくり手の主観を感じさせない映画だ。たぶん、多くの人が私が好きなタイプの…

経験

たとえば、私は学生の頃に、1日100キロ歩いたことがある。もし、その効用が何かあるとするならば、そのために10キロを短く感じることである。たぶん、それ以外には何もない。経験とはそういうもので、あることを測るものさしを与えてくれるものだ。 ← …

映画 神々と男たち

2010年。フランス。1990年代、アルジェリア山間部の小さな村にある修道院。イスラム教徒の村人たちにとってそこは診療所であり、修道士たちは共に働き援助の手を差し伸べてくれる頼れる存在だった。しかし、信頼と友愛を尊び、厳格な戒律を守って慎…

秋の風

9月に入っても最高気温は30度を超えているが、朝夕に吹く風には秋を感じる一瞬がある。そして、空を見上げれば夏の積乱雲は秋の風に動かされて、綿菓子をスーッと一方向に引っ張ったようなかたちに変化し、ずいぶん軽い存在感になってきた。これから雲が…

何が人を突き動かすのか

国会議事堂周辺の反原発デモへ初めて足を運んだ。集団にたどり着くまで、国会議事堂駅を降りてから20分ほどかかった。いくつかの道路が警察によって封鎖されていたからだ。警察の対応はやわらかいが、ものものしい雰囲気が漂う。国へ抗議するとはつまりは…

トンネル

まっすぐのトンネルを車で走ることには恐怖がある。一点パースの人工的なラインの景色がずっと変化をしないため、どのくらいの速度で走っているかわからなくなってしまうし、そのうち自分が車を走らせているという感覚も失われてしまうからだ。消失点に吸い…

宇宙

私たちが考えられうる最も大きな空間を想像するとき、宇宙という言葉を思い出すだろう。そして、とらえどころのないこの言葉は「無限とは何か」を人間に問いかけ続けてきただろう。さらに、無限からの視点を客観と呼び、逆に自らの視点を主観と呼び、それぞ…

2.5歳

2.5歳になった陽向は、だいぶ複雑な反応を示し始めた。喜んでいる様子のときも、単純に喜んでいるのか、喜んでいるふりをしているのか、の見極めが必要になってきた。喜んでいるふりをしているときは、もっと自分に構ってほしいときで、そんなときに夫婦…

ビッグサイト

ビッグサイトの展示会場は混沌として、まるで屋台の立ち並ぶアジアンタウンのようだった。特に今回の展示会は食中心の展示会で、麺をゆでる湯気や焼き鳥を焼く煙がそこらじゅうから立ちのぼり、「コロッケをどうぞ〜」とか、「おそば、できたてです〜」とか…

「私たちが原始人だったころ、夏に汗をかくことには爽快な感覚があっただろう」と鍼灸院の先生はおっしゃる。汗をかくことを爽快に感じる人が健康なのだ、と。すばらしい。こんなにわかりやすいバロメータはない。子供の頃、我が家にエアコンがついたのは、…

タバコのポイ捨て

目の前で、自転車に乗った青年が、信号待ちのときにポンとタバコを投げ捨てた。いやな気持ちになって、なにか言ってやろうか、と思ったが、とりあえず言葉を飲み込んだ。考えてみれば、こんな行為も20年位前まではごく普通の光景だった、と思う。その頃と…