gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

螺旋

空間をつくる者が、らせんに魅かれる理由はなんだろう。らせんといえば、バネはそのかたちをしている。エネルギーを溜めてかたちを変える弾性体として、静止している空間でも動きを感じさせてくれるところがひとつの魅力だろう。また、よく言われることだが…

こどもの国

横浜の「こどもの国」へ行ってきた。こどもの国というからには、こども用貨幣が発行されているような「国」を想像していた、と奥さんは言う。うん!それはいい。大人にはパスポートが発行されて、入国拒否を食らう親がいてもよい。いや、全ての大人を閉め出そ…

映画 ゼロ・ダーク・サーティ

2013年。アメリカ。オサマ・ビンラディンの殺害に至るCIAの活動の過程を描いている。アメリカ側からの視点で描かれていることに疲労感を禁じえない。だが、例えば、同じくイスラム社会とアメリカ人との関係を描いた「ミッドナイト・エクスプレス」(…

登場人物

登場人物は、クライアント、空間制作会社だけではない。不動産会社、大家、銀行、ときおり近隣の店舗や住民、・・・。ひとつのお店をつくるときに、登場する面々である。つまり、クライアントとぼくたちが同じ方向を見て、いかによい店づくりの計画を成立させた…

業者

正直、内装業者と呼ばれることには抵抗がある。「業者」という響きが、取替えがきく感じがしていやだ。でも、世間一般でぼくたちみたいな会社を表す言葉が存在しないのだから仕方がない。職種も公的には「建設業」ということになっているが、それもぴったり…

回り道

最近のジョギングは、決まったコースを反れて、できるだけ初めての道を選んで、くねくねと走るようになった。ぼくは案外の臆病なのか、面倒くさがりやなのか、決まったコースを何年も行き来してしまうタイプで、変化を好まないところがある。そのくせ、毎日…

論理的思考

本当にぼくは、人に伝えたいことがあるのだろうか。伝えたいことがあるべきだ、と考えているだけではないだろうか。学生の頃、友人のN君は「自分の内側を全部表現できたら、ノーベル賞をもらえるよね」と言った。ぼくはそのとき、それに賛同してみせたけれ…

秋の雨

突然降り出した小雨に打たれて、暑がりの陽向が久しぶりに「寒い」と言った。着ていたシャツを脱いで、陽向を包んで抱えて歩く。いつの間にかずっしり重くなった陽向を抱えると、肌に当たる雨の冷たさと、体のほてりが、ちょうど中和されて心地よい。そのま…

陰の空間

GFスタッフ005は、奥さんと一緒にアートの展示を毎年行っている。その作品の中を覗いた写真である。ぼくはこんな空間を見ると高揚する。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← 五感に働きかける店舗内装デザイン:マテリアルス

映画 のぼうの城

2012年。犬童一心・樋口真嗣監督。小田原城の支城、忍城(おしじょう)が舞台。史実に基づいているとのこと。圧倒的な兵力を誇る関白・秀吉軍に開城を迫られる。「いやになったのじゃ。強い者が弱い者を押さえつける、才ある者が才なき者を押さえつける…

震災後

震災後、東北で活動を続けてきた神戸大学の建築の学生が、この春から就職して東京へ出てきている。今日、約1年ぶりに一緒に飲んだ。就職しても、社会のためにどのようにあるべきか、という自問を繰り返す彼を、昨年と変わらず、まぶしい目で見つめた。ぼく…

現実と実現

してみれば、実現とは死であるのか。ここに生がつねに問わねばならない問いがあるのだ。なぜなら、現実は実現されることによって、はじめて実存するところのものとなるのだから。(森敦『意味の変容』p.114)ぼくらが生きている間にできることは、問い続ける…

終わりのないもの

ぼくは、終わりのないものを相手にしているのかもしれない、と思う。もし、そうだとすれば、ぼくは死ぬまで仕事を続けられる、ということだ。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← 五感に働きかける店舗内装デザイン:マテリアルス

なんで?

最近、陽向の初めて発言が増えてきた。今日は、待ちに待った「なんで?」という言葉だ。「これ、なに?」という言葉はしばらく前から連発されていたが、ようやくものごとの構造に興味を持ち始めたということだろう。人間・陽向の始まりだ、といってもいいだ…

リレー

人は過去を振り返りつつ、未来へ向かって進まねばならない。それはちょうどリレーの走者が、バトンを受け取ろうと後ろを見ながら、前へ進んでいるようなものだ。創造性の連鎖とは、まさにこのような状態に自分を置くことで可能になる。 ← 創造性の連鎖でつく…

映画 嫌われ松子の一生 感想2

前回、あまりにも身も蓋もない感想を書いたので、逆に気になってこの映画のことを考えていた。松子は、高校の教師、ソープ嬢、殺人犯として監獄暮らし、美容師、引きこもり、という順番で人生を辿り、不良少年たちに撲殺されて生涯を終える。外から見ると、…

映画 めがね

2007年。荻上直子監督。南の島で暮らしたい、という願望は、ある程度誰にでもあるものではないか、と思う。それは、今まで会った人たちの多くが口をそろえてそう言っていたからだ。だが、ぼく自身にはその願望があまりない。だから、この映画に描かれる“…

洞窟

トルコのカッパドキアで日本人が襲われたというニュースをネットで見た。 カッパドキアの奇岩はキリスト教徒がイスラム教徒から身を隠す場所として、たくさんの穴が掘られて住処とされたという歴史があると、20年ほど前に訪ねたときに聞いた。だれも好き好…

編集

新しい会社紹介ビデオの編集作業をアルバイトのM君とともに行った。別々に撮った3人のインタビュー30分を4分以内にまとめる目的だったが、編集作業とは、ほとんど作文作業に等しく、別々の発言を切り取って途中でつなげる、という荒技の連続だった。3…

インタビュー

言いたいことを前もって準備したときの方がインタビューはうまくいかない。前日によく寝て、リラックスすること。やはり、これしかない。終わってみれば、そんな日がいちばん充実した話ができる。いや、インタビュアーの力だ、きっと。 ← 創造性の連鎖でつく…

東京オリンピック

朝、皇居周辺をジョギングしていたら、テレビの街頭インタビューのクルーに声をかけられた。2020年の東京オリンピック開催が決定されて、スポーツをしている人たちの熱狂ぶりは?、が番組の目的だったろう。 インタビュアー「決まってどうですか?」自分…

消える

長時間かけたWEB上での書き込みが、一瞬のクリック後に消えた。こんなときのやるせなさは、どこにも持って行きようがない。同じものは二度と書けない。記憶を辿って過去を向くのと、新しい地平を開こうと未来へ向くのとでは、書くことは全く別の行為にな…

映画 十二人の怒れる男

1957年。アメリカ。裁判所の一室で殺人事件の陪審員たち12人が語り合う。殺人現場の話をするのに、現場の映像は用意されない。カメラは一室から一度も出ることなく、被告人の少年の圧倒的不利な状況は徐々に覆っていく。話のテンポがよくて、度重なる…

勢い

ぼくたちの仕事は、時間をかければよい空間ができる、というものではない。つねに、ひねり出したアイディアが旬であることが重要で、それが創造性の連鎖を引き起こす条件だからだ。「今、目の前にあるアイディアをかたちにしたい」とアイディアを引き継いだ…

冷静であること

昔、「冷静と情熱のあいだ」という映画が流行ったようだけれど、ぼくはなんとなくしか知らない。だから映画とは関係ないけれど、冷静と情熱はセットで必要だと常日頃から思っている。なにかをつくるときに、高揚するときこそ、同じくらい冷静でなければ、よ…

映画 今度は愛妻家

2010年。行定勲監督。「さくら。どうしてお前死んじゃったの?」久しぶりに帰ってきた妻に対する夫のこのセリフとともに、この映画の背景は一変する。今まで活き活きと描かれていた妻(薬師丸博子)が実は夫(豊川悦司)だけに見える幽霊だったことに初めて…

恐竜と魚 3

恐竜エウロパサウルスと水中に差す光。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← 五感に働きかける店舗内装デザイン:マテリアルス

恐竜と魚 2

恐竜エウロパサウルスとアザラシ。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← 五感に働きかける店舗内装デザイン:マテリアルス

存在

恐竜と魚 1

家族3人でサンシャイン水族館へ行って、ぼくが魚の写真を撮っていたら、陽向が手に持っていた恐竜エウロパサウルスのフィギュアを水槽の前に置いて「はい、チーズ」という。その後、たくさんの水槽の前で「はい、チーズ」と言われるがままに撮った写真を何枚…