gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

2013-08-01から1ヶ月間の記事一覧

コミュニケーション

陽向がぼくに伝えたいことはなんだろう。まだ、ぼくら大人と比べれば、ずいぶんシンプルな世界に生きている陽向だが、積極的にぼくに語りかけてくる。「おいしいね」 「かわいいね」 「だいじょうぶ?」ポジティブなものを共有したいという欲求。コミュニケ…

映画 それでもボクはやってない

2007年。周防正行監督。痴漢に間違えられた青年が無実を主張し裁判で争う・・・。村上龍が、数年前の芥川賞の審査後に「現代の小説の価値は『情報』にある」と言っていた。ぼくはそれに大きな違和を感じたけれど、そのような小説が評価されるのだな、と思っ…

グリッドの向こう

ぼくらは、何かの向こう側にあるものに心魅かれる。そこに見えているのに、簡単にたどり着けないもどかしさゆえだろうか。見えにくいからこそ、眼を凝らして見るからだろうか。グリッドの向こうにあるものは、正方形に分割される。どんなに有機的なかたちで…

ロブスター

コーヒー豆といえば、一般的にはアラビカ種が出回っているが、以前マレーシアを旅したときはロブスター種という豆を使ったどろどろしたコーヒーばかりだった。実はぼくはこのコーヒーが大好きで、当時京都へ帰ってきてから同じ豆を見つけたときは大喜びだっ…

コーヒー

ある特定の食べ物に関して、これがなかったら生きていけない、と思ったことはない。おいしいものは気持ちに豊かさを与えてくれるが、おいしさを問題とすることは、ぼくにとっては贅沢の部類に属していて、食べ物はもっぱら健康の問題に関係していると考える…

お化け屋敷

子供の頃、夜中のトイレへ行くのが怖かった。布団から出られず、仕方なく朝が来るのを待ったことを思い出す。そして、恐怖も人の限界点を明らかにするもののひとつだ、と思い至った。自分の限界点に行き着くことは、最もリアルな体験だと思う。だから、ぼく…

烏山の接骨院

千歳烏山の接骨院が完成した。マンションのベランダ側を大がかりに改装して、接骨院の入口とした。外と中のデザインをつなげて、外からは入りやすく、中からは広く感じられる空間になった。今後、外にも中にもクライアントの手で、グリーンが入れられる予定…

ゲテモノ

いろんな国を旅すると、いろんなものを食べることになる。その中には、その国の人には失礼だが、日本人から見ればゲテモノと呼ばれるようなものもある。カブトムシの幼虫みたいなものを、豚の血を煮たスープに入れた料理を食べたり、あらゆる昆虫のから揚げ…

映画 嫌われ松子の一生

2006年。中島哲也監督。ぼくは邦画が嫌いではない。洋画しか観ない、という人の話を聞くと、なぜなのか不思議に思う。けれど、4ヶ月以上も邦画を観続けていると、邦画に辟易している自分に気づかざるを得ない。それは、自分が属している社会の共同体性に…

朝の光 Life is so fragile

人生は壊れやすい。もし、昨日に0.1秒の狂いがあったら、今頃ぼくは朝の光を失っていたかもしれない。今、転換期にいる。成長は内からの力によるものだが、転換は外からの力によって生じる。世の中は公平にできているのだろう。良いことが大きければ、その分…

夕暮れ2

夕暮れ時の光を浴びて、万物は美しく輝く。ぼくらは皆、この一瞬のために存在しているのだろうか、と思うことがある。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← 五感に働きかける店舗内装デザイン:マテリアルス

夕暮れ

夕暮れ時の林は、ほんの数分間、奥に光と闇を含み込み、表に幹と枝が浮かび上がる。ぼくはその姿に無限の奥行きを感じて、心は目の前の風景の向こう側をさまよう。こんな空間をつくりたい。ぼくはいつもそう思っている。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン…

白馬

大学1回生の夏のバイトは長野県白馬村のペンションだった。その村でテニスサークルの合宿があって、終わったらぼくだけその村に残ってバイトをしたのだ。「白馬」という響きに惹かれたのと、それに、いかにも大学生らしいバイトをしたかったのだと思う。ペ…

大海原

陽向を胸に抱えて海に入っていく。陽向はぼくの前で、大海原を見つめる。ぼくは陽向の視点まで自分の視点を下げて、陽向と同じ風景を見ようとする。波がこちらへ向かって次から次に押し寄せてくる。ぼくらの顔の位置より高い。一緒に波をかぶる。その瞬間、…

リズム

ぼく自身はリズムを体感する力が未発達だと思う。スローな曲ばかりを好んで聴くのも、それが理由なのだろう。挑戦したことがほとんどないが、単調なリズム以外のダンスも苦手ではないか、と思っている。アフリカ人とか、中南米人とか、体の中に生来刻まれて…

映画 セイジ

2012年。伊勢谷友介監督。1990年。就職直前に自転車で旅に出た。という始まりは、ぼくそのものだったから、その頃の思い出とともに映画に入って行った。アクシデントで立ち寄ることになった山のバーにいるお姉さんにどきどきしたり、などはなんだか…

記憶力

記憶力がとてもよい人に出会った。その人は、自分があることを考えるときに辿った思考回路をはっきりと覚えていて、その後、何度でも同じ回路を辿ることができるそうだ。だから、事前に入念にシュミレーションする効果がとても大きい。 ぼくとは逆である。ぼ…

日本人の平均寿命

日本人の平均寿命が30歳を超えたのは、明治13年だそうだ。40歳を超えたのは、大正時代とのこと。150年前に生まれていたら、ぼくはもう平均寿命をとっくに超えていることになる。現在の自分が自分のやりたいことを存分にできているのも、長寿国にな…

記憶

家族3人で陽向が3月まで通っていた保育園の近くを通ったら、仲良しだった啓ちゃんがママと一緒に歩いているのとすれ違った。親同士で久しぶりの再会を喜んだけれど、当の子供たちはなんだかそっけない。覚えてはいるけれど、ニコニコ手を取り合うでもなく…

カフェ Anthrop.

下北沢駅の西口近くにカフェAnthrop.が完成した。人類学というその名前にふさわしい学術的な重みと、風が吹くような軽さを併せ持つカフェだ。オープン後もまるでガウディのサグラダファミリアのようにつくり続けられる予定で、一番奥には小さな図書館がつく…

無限とのつながり

「心が静かでいること」が、人間にとってどのくらい優先順位の高いことなのかは分からない。だが、少なくとも、自分にとって、これ以上大切なことはない。どうすれば心が静かでいられるか?ぼくは、その条件は、無限を背景として生きている、という感覚を持…

いとこ

母親は6人姉妹の末っ子で、母方のいとこが毎年熊本で集まる会が開かれている。母と一番上の姉の年の差は20歳以上あるから、いとこ同士も最大でそれくらいの年の差がある。ぼくはほとんど最年少だ。だからみんなに「くん」付けで呼ばれる。それがうれしい…

意味の変容 2013.8

森敦「意味の変容」には、内部/外部という概念が出てくる。外部の一点は内部の一点に実現される。そして、逆に、内部の一点は外部の一点に実現される。内部と外部の境界は外部に属するがゆえに、内部は閉じていながら、同時に開いている。また、内部と外部の…

うらぶれた場所

当然のことだが、新しいビルと古いビルとでは、同じスケルトンでも醸し出す空気が全く違う。古いビルのスケルトンは、現在までの空間の歴史を引きずっている。ぼくに霊感があるわけではないが、過去からの声がたくさん折り重なって聞こえてくるような気がす…

高畠華宵

竹久夢二の方が万人に愛されるのはよく分かる。高畠華宵の描く美男美女はどこか、えぐい。えぐい、とは美しさの向こうに、醜さが漂っている、ということだろうか。つまり、リアルなのだ。美少年画を見ていると、美輪明宏の顔に重なってくる。殺しても死なな…

ボコボコ

別に殴る蹴るでボコボコにするという意味のボコボコではない。表面がボコボコしているものを指している。ツルツルしている状態では2次元だったものが、ボコボコの度合いが増すにつれて3次元化してくる。そうすると光を当てると影が出るようになり、暗闇を…

夢の中のイメージ

空間をデザインしていると、夢の中で「これだ!」というイメージに出会うことがある。そんなときは、飛び起きて机に向かう。だが、現実の思考と夢の中の思考はリニアにつながっていないから、起きた後は夢の中のイメージを上手く再現できないことが多い。そ…

コンサルティング

明日5日(月)から3日間、東京ビッグサイトで飲食店の店舗空間についての無料コンサルティングを実施する。ぼくたちが15年間で身につけてきたオリジナル店舗空間をつくる方法論をもとに「より活き活きした店舗」づくりのお手伝いができれば、と願っている。 …

長い一週間

月曜日にあったことが遥か昔のように感じられる週末。たくさんの別々のイベントが詰め込まれた一週間だったからだろう。こんな週末の夜は、泥に沈むように眠りたい。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← 五感に働きかける店舗内装デザ…

映画 東京公園

2011年。青山真治監督。暴力の匂いのしない青山真治の映画もあるのだ、と思った。いつもの張りつめた空気はそこにはない。陽向が生まれて以来、東京の公園に訪れる回数が極端に増えた。この映画の井川遥のように、ベビーカーを押しながらのんびりと歩く…