gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ぼくが勝負できるところ

1986年春。前の年に東アフリカからA型肝炎を持ち帰って入院。親が掛けていてくれた保険から1日5000円が給付され、これを資金にタイへ行った。偉そうなことは何も言えない。 ぼくは京大土木工学部の大学生で、バンコクの駅で例によって当てずっぽうに駅名を…

収穫

今日は畑で今までで最高の収穫。トマト、ピーマン、ししとう、スイカが特にたくさん取れた。 土、太陽、水の力はすごい、と改めて感謝。コロナの時代も変わらぬ自然の力。むしろ、人間の生産活動がスローになったおかげで、自然の力は増している。 今後も、…

コロナの8月

いつもなら夏休み最後の週末で、陽向は宿題に追われているところだ。 というより、親二人がそのお膳立てに追われているところだ。 今年は8月1日から24日が夏休みと変則的で、すでに2学期が始まっている。 なんとなくこの社会を浮遊している感覚。 区切…

映画 まひるのほし

1998年。佐藤真監督。飯塚聡助監督。 3つの知的障碍者施設の輝くエネルギーを捉えたドキュメンタリー。 ぼくは、ちょうどこの頃に、3つの施設の中の一つ、平塚・工房絵に出入りし、アートの展示会のお手伝いや作業デスクの制作をさせていただいていた…

褒められること

ぼくは両親に褒められて育った。 親になってみて、褒めて育てるのは簡単ではないことを知る。 こうあってほしい、という自分の夢想との闘いだ。 でも、褒められることが少ない中での褒められることの効果は大きいだろう。 その効果が、彼をまっすぐに育てて…

起床

朝起きるのが苦手な陽向が、最近は6時に起きるようになった。 その後は、すぐに近所を走る。 こうして一日が始まると、いつものボーッとした陽向とは、違った陽向になる。 「今日は虫が鳴いているね。」 ぼくらがバタバタと急いで聴こえなくなっている音を陽…

本質

「本質と言いますが、本質って何でしょうか?」 そう私に返した方は、私より20歳くらい年上の方だった。 そのときにどう返したか、もう憶えていないが、今なら、 「本質はあると信じるべきもので、それを掴もうとアプローチすべきものだと思いますが、それを…

生まれる前にきっとそこにいたような

ぼくの命へバトンを繋いでくれた先人たちを遥か遠くへ遡っていく それぞれの先人たちを、それぞれの住空間が守ってくれたからこそぼくはここにいる グリッドフレームが住空間をつくりました

手探りで収穫

8月に入ってからは、畑の作業は夕方と決めている。日も短くなってきたこともあり、終わるころには真っ暗だ。 暗くてよく見えないため、手探りで収穫。ものすごい勢いで雑草が育っているため、難しい。 だが、暗闇でスマホの電灯を照らしながらキュウリやトマ…

映画 風の外側

2007年。奥田瑛二監督。安藤サクラ。 女子高生とやくざの恋。 安藤サクラの主演デビュー作は、主演女優が撮影4日前にキャンセルしたことにより、代役として成立した。 映画の中でも、代役としてコーラスのソロを歌うが、元々、彼女の顔は代役に向いている。 …

映画 かぞくのくに

2012年。ヤン・ヨンヒ監督。安藤サクラ。 1950年代から1984年まで続いた北朝鮮の帰国事業。敗戦国・日本から理想の国・北朝鮮へ帰りたい、という今では想像しづらい思いを抱いて、多くの若者が北朝鮮に渡った。 16歳の息子が、日本にいる家族と…

ブラックボックス

HPに突然出た不具合は、ネットで検索して解決できることもあるし、手を出せない部分が原因のこともある。 だが、毎回多大なエネルギーと時間、ときにはお金をここで消耗してしまう。 ぼくらの本分ではないために、どうにもやるせない。 いろんな理不尽がある…

頭の中に描く構造

頭の中の構造が3次元になったということは、その構造に興味を持っているということだと思う。 高揚感がなければ、3次元になることはないだろう。 自分にとって高揚するものを、人に紹介するときには、その人の頭の中に3次元の構造が描かれるようにするこ…

人間はすごい

すごい人間がいるのではない。 人間はすごいのだ。 人間であれば全て、驚くべき高い能力を持っている。 70億のすごい能力の持ち主が、揃ってその能力を生かしたとすれば、どんな素晴らしいことが起きるだろうか? 能力を生かすとは、それぞれが好きなこと…

暑さ

猛暑と呼べるのは、一年にせいぜい2週間くらいと思えば、この暑さを愉しもう、という気にもなってくる。 日々の暮らしでは、永遠に感じられる猛暑は、もう峠を越したところだと統計は教えてくれる。 よし、がんばろう! 統計、というものの良さはこんなとこ…

カボチャの神

ぼくらの畑の中で、成長が目立って遅いものがあった。 カボチャである。 だが、今日1週間ぶりに行ってみると、カボチャの苗が10倍以上に成長している。 これまでとは逆で、他の成長を圧倒している。爆発的、といってもいいだろう。 カボチャの神、降臨といっ…

外部からやってくる変化

ぼくらが表立って意識していないことが、どんどん外部から力を受けて、実現されていく。 人生は、大半がそうやって進んでいくものだ。 妻は、陽向の家庭教師の出現によって、部屋の改装計画に夢中になっている。

陽向の挑戦

夢中になることがなくて、ぼんやりと時間を過ごす陽向に、中学入試という壁が外部からやってきた。 来週から、知人が家庭教師をしてくださることになった。 なんともありがたく、素晴らしいことだが、陽向はこの変化に対応できるのだろうか?

試行錯誤

8 試行錯誤 東京から離れたつくり手たちは、 そこへ閉じ込められたのか? それとも、 そこで解放されたのか? 言えるのは、そこで かれらは、試行錯誤をひたすら繰り返していた、 ということだけだ。

果てしないもの

7 果てしないもの 物理的に、果てしないものを目の当たりにするのは外部においてだ。 内部においては、果てしないものをただ心に浮かべることしかできない。 ぼくらが、不確かな人生を手探りで生きているのはこのためだ。 希う心を手放すことなく生きていけ…

ガランス色

6 ガランス色 村山槐多(かいた)の描いたガランス色。 生きている証。 無彩色の空間で、このガランスの在り方に向き合う。

他者の眼

5 他者の眼 家の中の個々の部屋をプライベートと呼ぶならば、 それらをつなぐ通路はパブリックな役割を受け持つ、少しにぎやかな空間だ。 個人の家とはいえ、家に他者の眼を意識する空間は必須だ。 他者の眼と自分の眼は、いつも外側からと内側からの逆を向…

時間

4 時間。 長い間、ずっとそこにあったこと。 無数に人が踏みつけたこと。 何度かモノを落としたこと。 塗料が飛び散ったこと。 水をこぼしてしまったこと。 時間に、人間の営みを感じる。

ひかり

3 ひかり。 消えかかっているかのような、 守るべきものとして在るとき それは美しい。

ろうそく

2 ろうそく。 少し空気が動くとゆらめく、小さな光。 消えることのないよう、両手でそっと包み込む。 かすかな熱をてのひらに感じる。

洞窟

1 洞窟(ほらあな)に籠りたい。 これは、自分の住処に求める最も原初的な願いかもしれない。 外部から遮断されて、守られている場所。 内部である場所。 本当の暗闇。 生まれる前に、きっとそこにいたような。 そして、そのときにきっとそうしたように、目…

琵琶湖

琵琶湖・大津でランチを食べて、ひたすら東京へ。 嘉門達夫のCDを5枚も用意して、3人で笑いながらの車の旅。 米原から京都まで100km歩いた25歳の頃に通った大津を思い返しながら、琵琶湖の景色に見入る。

三十三間堂

朝、東山七条の三十三間堂からスタートして、清水寺、二寧坂、知恩院、平安神宮、哲学の道、法然院、銀閣寺、京都大学というコースで、18000歩を歩く。 陽向は途中で暑さのためか鼻血を出したけれど、結局、「もう歩けない」と言ったのは妻の方。 夜は、鴨川…

京都へ

朝は諏訪の温泉・片倉館、それから久しぶりの京都へ向かう。 家族3人で訪れるのは初めてだ。 鴨川を歩く。大学時代、よく走った場所だ。 30年が過ぎて、あの頃とは、何が変わって、何が変わらないのか? 日本は、ずいぶん変わった、と言われる。 コロナで人…

カーテンを吊るす

KZ邸の最後の作業は、ガランス色のカーテンを掛けることだった。 手作業にこだわったプロジェクトの締め括り。 何億年もの命のリレーを繋いできた、生きるものとして互いの命を輝かせること。 それは、つくることを生業に選んだぼくたちにとっては、徹底して…