目の前で、自転車に乗った青年が、信号待ちのときにポンとタバコを投げ捨てた。
いやな気持ちになって、なにか言ってやろうか、と思ったが、とりあえず言葉を飲み込んだ。
考えてみれば、こんな行為も20年位前まではごく普通の光景だった、と思う。その頃と比べて社会的に日本が洗練されたからか、現在では許されない行為になった。
が、そんな行為に嫌悪感を感じる自分にどのくらい正当性があるのか、は冷静になって省みてもよいと思う。
みんながNOということは、絶対的な悪なのか?それほど目くじら立てるべきことなのか?
直ちに嫌悪感を感じた自分に対して、私はある種の貧しさを感じてしまう。