gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

空間を変える力

例えば、海野次郎さんの展示会場設営のプロジェクトは、10本の斜柱を連続させただけで40坪の空間を一変させられることを確認できた。http://d.hatena.ne.jp/yogosiurubi/20110626私たちは、最小の造作で、最大の効果を達成するためのデザインを追い求め…

引越し

今日は引越し。子供の頃から何度引越しを経験しているだろう?父の仕事の関係で、平均2〜3年に一度引越しを経験した。その反動なのか、今は余程のきっかけがなければ引越ししない。今回は住んでいたマンションが建て壊しになるからである。その古さと、そ…

カッパドキアのレンタカー

レンタカーはフィアットだった。トルコ・カッパドキアの広大な土地をレンタカーで旅するのは正解だった。ただひとつ、難がある。フィアットのギアがバックだけ入らないのである。バックにギアが入らない車に乗ったことがある人はいるだろうか。当たり前だが…

祈り

世界には祈ることを日常の中に取り入れている人たちがどれくらいいるだろうか。仏壇があるわけでもない私の生活にとって、祈りは日常的なものではない。しかし、宗教とは関係なく、祈りは必要なのではないか、と感じている。手を合わせても、合わせなくても…

フォンタナ

キャンバスをナイフで切り裂くだけ。フォンタナは、それだけで空間を変えられることを発見したのだ。一つの工程で、瞬時に空間が変わる。そんなものを見つけたい。 ← グリッドフレームのHPはこちらです ← ランキングに参加しています クリックありがとうござ…

リアルクローズのエクステリア

リアルクローズのエクステリアが完成した。実を追求した美容室空間リアルクローズを「利休の茶室」と見立てて、そのエクステリアを「利休の茶庭」と見立てた。http://d.hatena.ne.jp/yogosiurubi/20110525/見せるためのものが何もない、という究極の実を追っ…

完成度 2

無自覚に完成度を高めて、失われるものは何か?多面性、多重性、多様性・・・豊かさの源泉となるものである。自然的なあり方、混沌といってもよい。これがあることによって、いろいろなものを引き出せる。だから、そのときの自分によって空間から引き出すものは…

自分の影

さっき、陽向が壁に写った自分の影に初めて気がついたようだ。まるで何かを発見したかのように、30分以上も指をさしては何かを喋りつづけた。そして、そばにいる私の影を指さして「パパ」と言った。その後、私が移動して、私の影も移動した。陽向は、幽霊で…

完成度

昨日に続き、千田泰広さんの文章をもとに考察する。「制作の際には寧ろ無自覚に完成度が高まってしまうことに気をつけたい。完成度が高まる時に失われるものはないか細心の注意を払いたい。」(千田泰広)実際、完成度が高まることによって、失われるものは…

千田泰広

「作品の完成度を問題にする人がいる。それは完成度というものは誰にでも容易に批判できる基準だからだ。」http://adich.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-d657.htmlすばらしい文章である。グリッドフレームも「完成度」を笑い飛ばしたい気持ちは同じだ…

ガーベージショップ・ムッシュ

ガーベージショップ・ムッシュは江東区・枝川のリサイクルショップだった。建物はオンボロで、いたるところで雨漏りがした。10数年も前のことだ。グリッドフレームはここを拠点として始まった。空間材料としてのスクラップを集めにここを訪れたのだが、そ…

片側が開いていること

私たちの生きる地上は等しく空へ向かって開いている。そして、私たちの生きる時間は等しく未来へ向かって開いている。つまり、どちらも片側が開いている。http://d.hatena.ne.jp/yogosiurubi/20110701片側が開いている、ということが「生きる」ということだ…

復興の役に立ちたい

茨城の自動車販売店から電話でお問合せが入った。震災で建物の内外装が被害を受けたが、どうせ修繕するなら、よりよい空間にしたい。だから、設計だけでも頼めないか、という内容だった。うれしいお問合せである。そう、どうせ復興するなら、よりよい空間に…

久里浜

私の錯覚かもしれないが、京急電車から見る久里浜付近の植生は独特に映った。小高い丘に繁茂する植生の密度が高く、東京近辺よりも発しているエネルギーが高い。睡眠不足が影響していたのかもしれないが、植物がウニョウニョうごめいて見えた。東京から電車…

風力発電と海

物件調査の依頼で茨城県・波崎へ行ってきた。日曜なので、陽向を連れてのゆっくりモード。調査後に、波崎の海へ。陽向にとっては3度目の海。結構、大人っぽい表情で水平線を見つめる。銚子から波崎にかけて、風力発電の風車をたくさん見かける。写真の通り…

陽向のブロック遊び

椅子のようなかたちに組み立てられたブロックを、陽向の目の前に置いた。陽向は、それを持ち上げて、逆さにしたり、横にしたり、斜めにしたりして遊び始める。大人の目には、椅子にしか見えないから、椅子として置かれていないとどうも落ち着かない。そう、…

砂漠に水をまく

目の前に果てしなく広がるサハラ砂漠。そこへ向かって足を踏み出す気持ちを憶えている。雲のない青い空。下に広がるのはうすいベージュ。美しいコントラストだ。だが、それは死の世界だ。足を踏み出せば、自分もまた、砂粒になるだろう。息苦しさとすがすが…

和紙の可能性 2

KAMISMの和紙、第2弾。海野次郎さんの絵がこの紙の上で描かれたら、きっと魅力的だろうなあ。紙にすき込まれた素材が、想像の中でいろんなものに見えてくるとしたら、とても楽しい。 ← グリッドフレームのHPはこちらです ← ランキングに参加しています クリ…

平手打ち

私が自転車で走った内モンゴルの草原は中国領内である。ある町にたどり着いたときに、宿泊所へ中国人の新聞記者が取材に来た。筆談で話ができるのは便利だ。彼は、ひとしきり自分の旅の目的などを聞いた後に、戦時中に何某という日本軍の軍人がこの町で中国…

外部性について 2

外部を取り込むとは、自分たちではコントロールできない要素を積極的に取り込むことである。外部を取り込むことによって、内部と外部の境界が揺らぎ、関係が更新される。だが、外部のいいなりになってものをつくることを、外部を取り入れるとは言わない。そ…

タンザニアの新札 その2

1日、2日と経つうちに、旧札ではものを買えない場所が増えてきた。1週間の期限を待たないうちに、旧札はゴミに変わってしまうかもしれなかった。どうにかして新札に交換しなければならない。問題は二つ。デクラレーションフォームの書換えをして、持って…

タンザニアの新札 その1

1985年。タンザニアを旅行中に100シリング紙幣の新札が発行された。100シリング紙幣は日本で言えば1万円札にあたる、最も大きな金額の紙幣だ。なんと1週間のうちに銀行で旧紙幣を新紙幣に交換しないと、旧紙幣は無効になってしまうという。むち…

悪の大魔王

6〜7年前、当時のスタッフたちの間で私のことを陰で「悪の大魔王」と呼んでいたそうだ。いつも静かに笑みをたたえている裏では、何を考えているか分からない、ということだったらしい。悪いことを考えているかどうかは別として、何を考えているかなんて、…

魚に羽をください

海の底から 空をめざす魚がいる 上に広がる青い世界までもう少し 住みなれた宝の船もみんな捨ててきた それがどれだけ昔のことかもわからん 上へ上へと ただそれだけの毎日で ますます独りになっちまったけどかまわん 水面で跳ねれば その瞬間ポチャリと落ち…

七夕とかりゆしウェア

今日は七夕。保育園の笹飾りの短冊がゆれる。陽向の短冊には「おそらのくもにてがとどきますように」。くまちゃんが沖縄から贈ってくれた「かりゆしウェア」を着て一日を過ごす。「太陽の島から、 太陽色のめでたいものです!」と手紙にあった。沖縄のやさし…

イチローと200安打

11年連続200安打を狙うイチローが、シーズンの半分を終えて200本のペースを下回っている。たぶん、たくさんの日本人がイチローの成績表の数字を気にしているだろう。記録(=数字)だけでこれだけたくさんの人の心を動かし続けてきた人は他にいないだろう。…

ネガティブの肯定

美容室リアルクローズの四元さんのブログに、紫綬褒章を受賞した柄本明氏のインタビューが紹介してあった。http://hello-16.blog.ocn.ne.jp/blog/2011/07/post_00df.html「まあ、芸術・芸能といいますか、絵を描くであるとか、音楽をやるとか、芝居をやると…

VERNAC

VERNAC(バーナック)というプロジェクトを立ち上げた。http://www.gridframe.co.jp/x04realspace.htmそのコンセプトはこちら。http://www.gridframe.co.jp/vernacconcept.htmクリエイティブであろうとする人々を応援することで、創造性を連鎖させようという…

和紙の可能性

「伝統的な技法と創造的なデザインの融合」というテーマで、新しい和紙を開発しているKAMISMのショールームと工房を訪ねてきた。和紙といえば、壁紙の延長のように捉えていた私だったが、製造工程や原料を知ることによって、それ以外の使用方法に結びつける…

映画 ギャング・オブ・ニューヨーク

マーティン・スコセッシ監督。ギャングといえば、イタリアン・マフィアくらいしか浮かばない自分の頭には、WASPとアイルランド移民集団デッド・ラビッツの抗争を描いた時代背景のイメージが、タイトルのイメージと一致しなかった。現在のマンハッタンの…