gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

3歳

陽向は3歳になった。夜、寝る前に用事を思い出してぼくが一人でコンビニへ出かけると、「パパ〜、パパ〜」と言って玄関でぼくを待っているのはかわいいのだが、最近サムターンを回して鍵をかけることをおぼえて、鍵をかけてしまって、帰ってきたぼくは家へ…

競争

そもそもぼくは病的なくらいに負けず嫌いだ。例えば、皇居の周りを走っていても、人に抜かれるととてもがっかりするし、追い抜くと有頂天になる。だからこそ、自分の人生は、他人と比較できないところに設定したかった。同じ土俵には乗らない。だから、いわ…

呼吸

風邪気味のためか、走るフォームが悪いのか、それとも、呼吸の仕方の問題か、走るスピードを上げると、息が十分に吸えない。吐いて、吐いて、吸って、吸って、というリズムをいろいろ変えて実験する。今日のところ、もっとも吸えたのは、ゆっくり吐いて、吸…

美容室 W hair

↑before ↑after東綾瀬の美容室W hairが完成。10代の女性向け美容室から、大人の男性向け美容室へと劇的に変化した。外観は、GFが計画し、オーナー自ら塗装を行った後、GFが仕上げた。GFの「バーナック」による典型的な例である。オーナーは、とても…

かたち

「かたち(form)は機能にしたがう」という言葉はモダニズムの合言葉で、つまりは、必要のないかたちを空間に入れることを禁じる言葉である。無駄をそぎ落とした、必要なものだけで成り立つ空間は美しい、という美的感覚をぼくたちは学校で徹底的に叩き込まれ…

恩師

高校のときの柔道部の顧問先生とOB会で久しぶりにお会いした。もう30年が過ぎたことになるが、外見はほとんどお変わりないことに驚く。52歳の頃、男子校の校長先生になられたときに、「80kgのベンチプレスを上げられないやつは男じゃない」と就任の…

映画 ボウリング・フォー・コロンバイン

2003年。アメリカ。マイケル・ムーア監督。1999年のコロンバイン高校銃乱射事件をきっかけに、「なぜアメリカでは銃を用いた殺人事件が多いのか」を追究している。行き着いたのは、メディアによって恐怖をあおり、経済を動かす社会のしくみ、である。…

手段と目的

カントの『道徳形而上学原論』に、「他者を手段のみならず、目的として扱え」という内容のことが書いてあるそうだ。それについて、柄谷行人が書いていることを、これまで何度も読んできた。ぼくは、グリッドフレームのコンセプトとして、今までいろいろなこと…

波打ち際

陽向には何度目の九十九里浜だろう?車から降りたとたん、彼は波打ち際へ向かって走り始めた。そして、「うみ〜」と叫んだ。前回来たときは、あんなに海を怖がっていたのに。 ← グリッドフレームのHPはこちらです

海の家

海の家、という掘立小屋がある。それは、ぼくにとって、ひとつの魅力的な空間の形式である。手づくりで、なんでもありで、簡単で、今考えていることをすぐかたちにできて、お客さんはくつろいでいて、・・・。ぼくが考えるよい空間の条件をかなり満たしている。…

差し馬

皇居の周りをほぼ一日おきに走っていると、だんだん持久力がついてきて、体力の余裕を残して走り終えることができるようになってきた。以前は、あそこまで走ったら終わりだからがんばろう、という気持ちで走っていた。4度マラソンを走ったこともあるが、い…

淋しさ

ときとして言葉は、心とは逆のことを表す。それを止めることができない自分を責めても、どうすれば止めることができたのか、という答えは得られない。そして、言葉を受け取る側も、そのことを知っていながら、許すことができない。それを許すことができない…

映画 バーディ

1984年。アメリカ。鳥になりたい、と誰もが一度くらいは思ったことがあるのだろう。そうでなければ、この映画は成立しない。鳥男バーディに誰もが自分を重ね合わせて、空を飛べたら、と思う。そうすれば、ベトナム戦争からも逃れられた、と。窓から飛び…

つくり続ける

高齢になってますます盛んに絵を描き続けた日本人に、白隠慧鶴、富岡鉄斎などがいると聴いた。葛飾北斎だけではなかった。これは日本人的特徴で、どのように死ぬか、を重要視することから来るのだろう、というお話を水墨画家・海野次郎さんから伺った。画業…

東京芸大の修了展示を終えたTくんが、作品について説明してくれた。作品は、透明の鎧である。そして、透明の鎧にたどり着くためには、真っ暗闇の狭い通路を、手探りで歩き、数枚の薄いカーテンを越えなければならない。しかも、鎧がぼんやりと見えてきたと…

ローマ教皇

ローマ教皇ベネディクト16世が、高齢を理由に今月末に退位することになった。職務の遂行に支障が出てきたことが、退位の理由だそうだ。教皇はこれまで終身制とされ、自発的退位は、史上初めてのことらしい。そこで気になるのは、ローマ教皇とは職業なのか…

植物

小学校1年のとき、学校でアサガオを種から育てた。2年ではホウセンカ、3年ではヘチマだった。アサガオが芽を出して、双葉が開いたときの昂揚を憶えている。ホウセンカの実がはじけて、種が飛び散る感触。ヘチマの実の重さ。どれも死ぬまで忘れることはな…

車とエクササイズ

車で会社へ通っていたとき、ぼくは深刻な運動不足に陥っていた。行き帰りに2時間、車に乗っていると、その頃の忙しさからすると、どうしても運動する時間を見出せなかったからだ。そのころ、熱望していた車は、運転すること自体がハードなエクササイズにな…

映画 少年と自転車

2011年。ベルギー。少年は父親に捨てられ、孤児院に入れられる。だが、少年は捨てられたことを認めない。父親をひたすら信じようとする。それは少年の生きる意味に関わる大問題なのだが、父親はそんな想像力はかけらも持っていない。本当に捨てられたの…

誠実

ある人のことに想いを馳せて、その人がいまその人自身を手放そうとしているのではないか、という考えがぼくを捕らえて、ぼくは居ても立ってもいられずその人へ電話をかける。ぼくには、世の中は全部嘘でできているのではないか、という疑いが脳裏に浮かぶ瞬…

好きな場所

好きな場所はどこですか?これは、ぼくGF001と002が、クライアントに初めてお会いしたときに、必ず質問する項目のひとつだ。先日、あるクライアントが「日本人のいない外国」とお答えになった。新しい自分を発見できるから、と。私もそうだ。初めて…

泣き声

小さな子供がいると、泣き声を聞くことが日常になる。思えば、物心ついてから子供が生まれるまで、泣き声は日常の中になかった。子供は誕生した瞬間から泣き声だ。それから、ほぼ毎日のように泣き声を聞き続けている。今では、泣き声を聞くと、逆に安堵感を…

映画と本

好きな映画は、あまり考えないでいい、単純に楽しめるもの。好きな本は、いろいろ考えさせてくれるもの。クライアントにインタビューをしていると、そういう人が多いことに気づいた。そういえば、親父もそうだったかもしれない。(つづく)

雪の気配

2月に入ってから暖かい日が続いていたが、今夜東京は大雪になる見込みだという。ならば、今夜のうちにジョギングをしようと陽向をベビーカーに乗せて、妻と皇居の周りを走った。いつもより明らかにたくさんの人が走っていたのは、みんな同じ理由だろうか。…

本屋に行くと、自分の不自由を感じる。言葉が自分の中に洪水のように入ってこないように、本を選びに選ばなければならない。そして、結局買わないことが多い。そして、帰ってまた同じ本を開く。このことはぼくの世界を狭めているのかもしれない。だが、繰り…

恐怖

小さい頃、夢におびえたことはほとんどないが、それでも一度だけ出てきた怖いイメージが、今も脳裏に焼き付いている。それは、夢の中で夜の階段の踊場にふたりで佇んでいた。ぼくはそれが何なのか、はっきりと分かっていた。それは、祖父母の家のガラス棚の…

アイドル

相変わらず、日本のアイドルたちは自由に恋愛もできないままらしい。かつてのアイドルと比べると、本音を出せる時代になったと思っていたが、籠の鳥状態はなんら変わらないのかもしれない。そもそも、プロデューサーの力に依存し過ぎていて、ちっぽけなスキ…

映画 八日目の蝉

愛人の子供を堕し、それが原因で二度と子供を産めなくなった女が、正妻の生まれたばかりの娘を衝動的に誘拐してしまう。娘が4歳のときに女は逮捕され、娘は夫婦の元へ帰るが、幸せな家庭は戻らない。そして、大人になった娘は、女と同じように愛人の子供を身…