gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

奇抜

熊本空港から実家まで10数キロある。今まで交通手段はいつも車だった。空港から大津駅まで空港ライナー。大津駅から実家まではレンタカー。今日、空港での空港ライナーの待ち時間が30分。コーヒースタンドでコーヒーを飲んで時間をつぶしていたら、ふと…

風の丘

阿蘇の大野勝彦美術館を訪れた。風の丘という名前もついている。25年前に、農作業の途中に両腕を失って以来、失われた腕に義手をつけて、書と絵を描いてきた人だ。自分を励ますために描いた絵と言葉が、人を励ます。今までどれだけたくさんの人が彼の絵に…

Vanilla再訪

5月に完成した熊本県八代市のcafe/esthetic & hair salon Vanillaを訪れた。cafeでコーヒーとシシリアンライスをいただいたが、細かいところへの配慮が感じられる質の高いサービスがとてもうれしい。個性的な人がたくさん集まるお店になっているそうで、1…

藪の中

蔓を採りに藪の中へ分け入った。これほど深い藪の中へ入るのは、初めてのことだ。林道から数メートルしか入っていないのに、もう道がどの方向にあるか分からない。あけびの蔓を絡まった立木からほどく作業を始める。複雑に絡まり合う蔓は簡単にはほどけない…

なんだ、お前は!

陽向がカブトムシのフィギュア同士を闘わせて、ひとりで遊んでいる。まだ「お前」と「お名前」の区別がつかない陽向は、ときおり、「なんだお名前は!」と叫んでは、凄んでいる。う〜ん・・・、迫力がない。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレ…

道祖神

(wikipediaより転載)ぼくが「道祖神」という言葉を初めて知ったのは、20歳の頃に、アフリカを旅しようと志して買ったガイドブックに「道祖神」という名前の旅行会社が紹介されていたときだ。調べてみると、「道祖神」とは路傍の神であり、松尾芭蕉が『奥の…

現実

想像通りの現実などない、と言い切ってもよいと思う。有限実行し、たまたまその通りの結果を得られたとしても、それは言葉の範囲だけの話で、現実は言葉よりもはるかに複雑で、たかが一人の人間がコントロールできるような代物ではない。創造的なものづくり…

あけびの森

プロジェクトであけびの蔓を使うことになって、買えるものを探したけれど、欲しいと思っている荒々しさを保ったものが見つからなくて、自分たちで山に採りに行くことになった。野沢温泉であけびの蔓の工芸品をつくっている方をネットで探し当てて電話したら…

麻布十番

陽向の歯の治療のために、麻布十番へタクシーで向かったが、麻布十番のお祭りで渋滞にはまって、20分も遅刻してしまった。二人で帰りにぶらぶらと祭りを散歩する。出店がたくさんあるが、ほとんどの店が酒とつまみを提供している。つまり、大人のためのお…

宙に浮いた観念

日曜日にも仕事が入って、幼い子供を児童施設へ預けに行く朝。子供は施設の入口で笑顔でバイバイと手を振る。その笑顔を仕事への情熱に変換する親。その情熱は信じるに値する。一方、世界のため、真理のため、などということを組織は謳うかもしれないが、そ…

抽象化

知るということは、すでに知っていることを発見するということである。いいかえれば、現にすでにやっていることを知ることだ。そうでない知識などはなにものでもない。(柄谷行人『柳田国男試論』p.49)それぞれが知っている過去について自分が明瞭化すること…

闘える条件

一般的に、小さな会社が大きな会社と比べて弱い部分は、攻守でいえば「守」の部分だろう。守備を固めるほどの人数がいないし、そもそも攻撃力のある者たちが集まって会社ができていることが多いからだ。実情として、生き残るために、守備が得意じゃない者た…

当然といえばそれまでだが、陽向が一番最初に憶えた数字は1である。ようやく10まで数えることができるようになったが、よく飛ばしてしまうのは2だ。どちらかといえば、音のリズムで憶えているようで、まだ数字の概念はふわふわと固まってはいないように…

予算と素材

プロジェクトの予算は多いに越したことはない。ただ、予算が十分な場合、クライアントの要求がぼくを困らせることがある。たとえば、こんなときだ。大理石張りの空間イメージをクライアントが欲しい、と思っているとする。ぼくらは、カスタマーの心に響く世…

変えられるもの

あとの世代にとって、明治時代に確立された諸制度は、既成のものとして動かしがたく映っていたとしても、柳田(国男)にとってはつねに変形可能なものでしかなかった(柄谷行人『柳田国男論』p.31)何を「変えられるもの」と考えるか、でその人の創造的行動の…

クワガタ

クワガタムシは、ナンバー2の位置にある。ナンバー1は言わずと知れたカブトムシだ。だが、ナンバー2のクワガタムシの方が、武器としてはカブトムシよりもずっと分かりやすい。つまり、あの鋏で挟まれたら痛いだろう、と威力を想像しやすいのはクワガタム…

ヒトに対する興味

「他者を手段としてのみならず、目的としてあつかえ」この言葉を反芻する必要もなく、実践している人もたくさんいるだろう。だが、哲学でこれを語る必要があるのは、他者を手段としてのみあつかってしまう人がいるからだ。「わたしはヒトに対して興味がある…

新しいHP

フブキに依頼して、新しいHPをつくっている。先日、その一部をアップした。会社立ち上げ前から17年続いてきた黒い背景の自作HPを、思い切って変えることにしたのだ。変えることになった背景には、周囲の意見もさることながら、ぼくの未来に対するイメ…

小さいものの時代

小さな母体でビジネスをしようとしている人と飲んだ。「今度、小さいものの時代になったら、もう大きいものの時代は二度と来ないかもしれない。」とぼくが言った。「そう。大量生産よりひとつひとつつくられた方が質が高い、ってことを誰もが知ってるからね…

不知火

8月初旬に、熊本県八代海沿岸に現れる、と言われる不知火。海岸から数キロメートルの沖に、始めは一つか二つ、「親火(おやび)」と呼ばれる火が出現する。それが左右に分かれて数を増やしていき、最終的には数百から数千もの火が横並びに並ぶ。その距離は4…

感覚

奥行きのある壁。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← 五感に働きかける店舗内装デザイン:マテリアルス← 未来の町並みをつくるファサードデザイン:GFファサード&サイン

ゴジラ

映画 25時

2002年。アメリカ。スパイク・リー監督。ニューヨークの麻薬ディーラー、モンティが逮捕され、7年の判決を受けた。彼の収監までの25時間を描く。取り返しのつかない過去を乗り越えて、未来へ向かって生きるために、彼は何をするのか?収監・逃亡・自…

金魚

観賞魚である金魚は、フナの突然変異により橙色のついたものが人為的に選択され、飼育・交配を重ねてつくられた魚である。つくられた、と書いた。wikipediaでは、「飼育・交配を重ねた結果生まれた」と書かれている。このあたりの表現は多くの人が繊細に反応…

地元

長い間、同じ場所で仕事を続けてこられて、「地元に恩返しをしたい」と店舗をつくるクライアントがいらっしゃる。金儲けは二の次の、地元に必要とされる場を提供したい、という心から出店されるようなお店だ。柄谷行人の10年前くらいの著作から頻繁に出て…

柳の葉

冬の間に、たった一本に切られてしまった柳の枝が、夏にはもうこんなに繁っている。重力方向へ平行に垂れた柳の葉の束の一点パースを見たくて、ぼくは木の下へもぐりこんで上を見上げる自分を想像する。このところ、この瞬間をとても愉しみにしていたんだ。 …

カタログから選ぶ

プロジェクトの複数の椅子を、女性スタッフ006と一緒にカタログから選んでいたら、2時間くらいで疲労困憊した。気がつくと、006は最初とあまり変わらない様子で、活き活きと選んでいるように見える。これは、どこかで見たことがある、と思った。そう…

カブトムシ

海外のカブトムシの名前には、ギリシャ神話やローマ神話の英雄の名前が多い。カブトムシには、世界的に「戦う昆虫」というイメージが強い、ということだろう。しかし、個人的には実際のカブトムシが戦っている姿を見たことがない。どちらかといえば、Aik…

汗をかく

全身に汗腺がある動物は、ヒトや馬など限られた種類のみだそうだ。汗には体温調節機能があるから、それらのみが長距離を走ることができるらしい。他の動物とのその違いを利用して、ヒトは他の動物を体温が上がって動けなくなるまで追い詰めて狩ったという。…

すれ違う

ぼくは街で知っている人とすれ違っても気づかないことが多いそうだ。(そう相手に指摘されることが多い。)もちろん、考え事をしながら歩いていたからということもあるだろうが、人の顔を見る、という行為が失礼に値する、という思いが他人よりも強いため、…