gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

平成の終わり

今日で平成が終わる。 20代で昭和が終わったときは、不思議な感覚があった。生まれたときの元号は、永遠に終わらないような錯覚があったからだ。 昭和天皇のイメージは、物心ついたときから既におじいさんで、ずっと変わらなかったから、やはり天皇も人間で…

手づかみで食べる

手づかみで食べる、ということに妻は昔から興味を持っていた。 食べるという原始的な欲求に、原始的な所作で対応することを許す場があれば、そこに遺伝子レベルで忘れていた感覚が取り戻されるのではないか。 妻の誕生日に、原宿のCATCH THE CAJUN SEAFOODへ…

関園子さん

今年で14回目の展示だそうだ。年に1回だから、最初にふらりと訪れてから14年目になる。 バカチョンカメラのフィルムに焼き付けられる解像度もちょうどよい感じで輪郭がシャープ過ぎないことによって想像力が広がる。 それにしても、視点の新鮮さはすばらしい…

教育のレベル

日本の教育レベルが下がっている、とはぼくらの世代以上であれば、だれもが感じていることだと思う。 なぜこのような事態になってしまったのか、よく分からないでいたが、現在の小学校の授業レベルを見れば、「これじゃ・・・」と思ってしまう人は多いだろう…

歩くこと

仕事で渋谷から中目黒まで歩いた。大した距離ではないが、やはり歩いて見えてくるものは、濃い。 急ぎの移動だったが、それでも入ってくる情報は著しく多い。 こんな時間を大切にしたいと思う。

震災と精神科医

神戸の震災からすでに24年が経過したが、精神科医・中井久夫の文章を読んで、あの地震がどのようなものであったかの認識を新たにした。 精神科医は、毎日、3万歩を歩き続け、たくさんの人に会い続けたらしい。特に、校長先生を訪ねることは重要だったそうだ…

主張

全てのプロジェクトを、クライアントと自分たち双方にとって価値のあるものにするためには、初対面での打合せが大事だ。 そこで、ぼくらのやるべきこと、やりたいこと、を主張するのがぼくの仕事だ。 002とともに、クライアントに合わせるのではなく、ぼくら…

ミトコンドリアDNA

ミトコンドリアDNAを検査して、自分のルーツが分かった、という方のお話を聞いた。 先祖が、2万年前にバイカル湖近くの女性から生まれ、5千年前にカナディアンインディアンと日本に兄弟が分かれたことが分かった、という。 自分のDNAにまつわる、時空の壮大…

天の哄笑

彼らはどうして天の哄笑を聞かなかったのだろう。(森敦「意味の変容」)

一人で遠出

ぼくらが忙しくて、日曜日にどこにも行けない日は、陽向は退屈だ。 今日は、とうとう一人で遠出。 電車を乗り継いで、お台場の水の科学館へ。 いろんな人に聞きまくって、なんとかたどり着いて、施設の中では受付のお姉さんにかわいがってもらい、結構楽しん…

床に刻まれた時間

表参道のグリッドフレーム本社には10年以上経ったフローリングがある。 ぼくらの前の前に入ったリラクゼーションのテナントが残していったフローリングだ。当時の写真ではフローリングは茶色だが、その後、白く塗られ、さらに、設計事務所が入って、その上…

大衆酒場

古くから親しまれてきた大衆酒場のよさを超えるような大衆酒場を新しいプロジェクトで体現することは簡単ではない。 まず、そのよさは、いわゆる”素敵な”内装空間によって達成されるものではない。長い間そこに蓄積した時間が、その場を特別なものにしている…

いじめの政治学 2

陽向が学校で遊んでいるグループでも、仲間外れが行われているようだ。 悪い方向へ行けば「孤立化」につながる。 子どもの環境は、いつも危うい中にある。自分のことを思い返しても、そうだった。 学校の中は無法地帯だ。 それが我が子であれ、他の子であれ…

いじめの政治学 1

柄谷行人の書評を見て、精神医学者・中井久夫の「いじめの政治学」を読んだ。 書き留めたい文章がたくさんある。 「鬼ごっこでは、いじめ型になると面白くなくなるはずだが、その代わり増大するのは一部の者にとっては権力感である。多数の者にとっては犠牲…

言葉と記憶

父親が亡くなったとき、 ぼくは父を語る多くの言葉を持っていないことに気づいた。 他にも、何度も会ったことのある人が亡くなったときに、 その人を語る言葉を持っていないことの淋しさを 幾度も感じてきた。 そのことで、ぼくの中からその人たちが少しずつ…

言葉を遺すように

どのような思い出も、言葉に遺らなければ伝わっていかない。 願わくば、その言葉がさまざまな人々の資糧となりますように。 空間は、大きな絵本だ。 空間を体験しながら、言葉を記していく。 失われていくものすべてが、言葉として遺りますように。

インタビュー

何を聞こうか。 素材の歴史を知るために、その持ち主へインタビューを行う。 素材には、素材に関係した人々の生活が、きっと映り込んでいるだろう。 どのように聞こうか。

素材を置く場所

時の記憶を刻み込んだ素材を集め、保管する場所を探し始めた。 いよいよプロジェクトの始まりだ。 ぼくは、素材を探して、その歴史を調べ、書き記すことに力を入れる。視覚的イメージだけに寄らず、まるで本を書くように、空間をつくっていく。 本は、開くこ…

映画 2/デュオ

1996年。諏訪敦彦監督。柳愛里。西島秀俊。 同棲する二人の生活を追う。 女を演じた柳愛里は複数の映画で主演をつとめながらwikipediaにも出てこない。やや調べていくと柳美里の妹であることが分かったが、どのような人なのかはさっぱりわからない。世の中へ…

微笑み

切実なところからくる事業は魅力的だ。 ぼくの場合はどうか?自問する必要があるということは、ぼくにも切実感はさほどないことの証明かもしれない。それでも、それをここに書き記したい、という衝動に駆られている。 捨ててしまうこと、忘れてしまうこと。…

買占め

近くのコンビニに牛乳がない、という日々が続いている。 少し離れたところまで行けば普通に売っているわけだから、近くの誰かが大量に買い占めているのだろうか。 日常品が何かの必要で誰かに買い占められたら、相当不便なことになる、という当たり前のこと…

伝承 2

また、その素材の知りうる限りの情報を取材し記録することによって、 空間に歴史的な資料としての重さを与える 「住まう」「滞在する」という概念が、 定住的なものから、寄生的なものに移行している中、 多様な空間を体験する人が増えている そんな状況下で…

伝承 1

時を経たものの価値は両義的で、見る者の視点によって変化する この性質を利用し、価値観の相反する間で物物交換を成立させて、 汚しうる美を収集し、それを空間づくりの素材として生かす ここでは金銭を媒介させないことが重要である なぜなら、その瞬間に…

映画 世界最古の洞窟壁画 忘れられた夢の記憶

2010年。アメリカ、フランス。ヴェルナー・ヘルツォーク監督。 1994年に発見されたショーヴェ洞窟の3万2千年前の壁画。 この壁画を見て、何を感じるか?それは、ぼくらに突き付けられた重い問いだと思う。 3万2千年前に描かれた壁画を見ていると、今悩んでい…

映画 リップヴァンウィンクルの花嫁

2012年。岩井俊二監督。 リップヴァンウィンクルとは、アメリカ版浦島太郎のような話の主人公らしい。 話は面白いが、シュールであり、自己投影が難しい分、話を軽く感じてしまった。 黒木華と蒼井優は、今のところ、ぼくの中ではほぼ同一人物だ。 そういう…

SOTOCHIKUコンセプト

時を経たものの価値は両義的で、見る者の視点によって変化する この性質を利用し、価値観の相反する間で物物交換を成立させて、 汚しうる美を収集し、それを空間づくりの素材として生かす ここでは金銭を媒介させないことが重要である なぜなら、その瞬間に…

適者生存

生き残るための「優れた者」の基準は、強さでも、賢さでもなく、環境の変化に適応すること、である。 そして、環境の変化は往々にして予測できないところからやってくる。 だから、ぼくらの尺度で、どんな人が優れている、とは一概に言えない。 だから、すべ…

島田満子さん

島田満子さんの皺の生成は、かけがえのなさを生む手法だった。 平坦で、歴史のないところに、瞬時に何万年、何億年の時間の経過を作用させるような。 タイムマシンだったかもしれない。

単純なものの中の複雑

進化は進歩ではない、とダーウィンが言ったのは、例えば、細胞を持たないウイルスは、細胞に寄生することで生きることができるから、細胞のある生物よりも後に誕生した、と言えるからだ。 この場合、進化は、むしろ退歩である、と。 全体の系としては、多様…

モダニズムの空間

抽象化、単純化された空間に、人間という複雑な構造を持った塊がポツンと存在する。 モダニズムの空間にいることは、そんな対比をイメージさせる。 人間だけでは、物足りない。 エントロピーを増大させないと、心が満足しない。 ぼくらはSOTOCHIKUを必要とし…