gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

人混みの歩き方

私は人混みが大の苦手である。東京にいると、人混みを歩くことなしに生活できない。前から集団が歩いてくるとうまく進めない。昔、会社に勤めていた頃は、人混みを縫うように駆け抜けるラグビー部員の後ろをついてまわればよかったが、今はもうそんな友達も…

ゴルゴ13

今はどうかわからないが、80年代に海外を旅行すると日本人は歩き方で分かった。人がよさそうで、隙だらけで、弱そうなのだ。日本人は間違いなく狙われやすい国民だと思っていた。そこで、人のふり見て我がふり直す、ということで歩き方には気をつけること…

エクアドルからの出国

1988年、ペルー、エクアドル、コロンビアを旅行した。南米は政情が不安定な時期と言われていた。インフレ率がひどく、ペルーで1週間の間に価格が数倍になったりしたような記憶がある。治安が悪いとひとことで言うが、そのころの南米は、犯罪者が多い、…

自分の能力を過大評価すること

ずいぶん前の話になるが、4回フルマラソンを走ったことがある。市民マラソンなので、スタートは何千人が一斉に走り始めることは不可能である。パーン、と号砲が鳴ってから、10分くらい動けなかったこともある。正直、いらいらする。周りから「これで俺の…

人を突き動かすものは何か

柄谷行人の初期の作品である「意味という病」を10何年ぶりかに読んでいる。冒頭の「マクベス論」を読みながら、人を突き動かすものは何か、について考えている。マクベスは「自分が王になる」という魔女の予言を聞くことによって、「耐えがたいような倦怠」…

毎日書くということ

4月にブログを始めたときは、適当に書きたいときに書こうと思っていたのだけれど、初めの頃に何度か休んだだけで、もう2か月以上毎日書き続けている。休んでも誰も困りはしないけれど、休むと自分に対して悔しいからだ。多少苦行めいている方がよく続く。…

BABAリズム

昨日久しぶりの徹夜でyoutubeを聴きながら、提案の絵を描いていた。どうやら、ここ最近はギター1本の弾き語りから湧き起こるイメージの群れに共鳴するようで、そのような歌ばかり探していたら、BABAリズムさんの曲にたどり着いた。http://www.youtube.com/wa…

クライアントとの勝負

あるプロジェクトの制作進行中に、クライアントから弊社の女性スタッフ002宛に特大の花束が届いた。びっくりして、002とその意味を考えた。もちろん、誰も悪い気がするわけがない。 謎解きの愉しみである。京都から東京進出される1号店のご依頼なので…

馬と旅する

ボルネオ島サバ州には赤道直下の騎馬民族が住んでいると聞いて、はるばるやって来た。馬に乗れるようになりたかったからだ。なぜ馬に乗りたいと思ったのか。それは、内モンゴルの草原を自転車で走っているときに、地平線のかなたからだんだん近づいてくる、…

目をつぶって見えるもの

目をつぶっても見えるものはある。というより、明らかに物理的なイメージがそこに見えている。それを見えている、といってよいのかどうか混乱してしまうけれど。とりあえず、ここでは、見えている、と呼ぶことにする。それは、うすい皮膚を通して入ってくる…

太陽と重力の綱引き

植物は太陽に引っ張られるように、まっすぐに伸びていこうとする。ところが、鉢の外へ出たくらいから、下から重力が引っ張り始める。植物はびっくりして、先っぽだけは太陽を見上げる。そんな太陽と重力の綱引きが数週間に亘って続いた結果、こんなにもダイ…

効率を追求しないこと2

効率を追求しない人として、思い浮かぶ一人は美容室リアルクローズのオーナーY氏である。常に実質を追求する彼を見ていて、面白いのは週休2日制を徹底していることである。有り余るパワーを持続するために徹底して休むことが必要、と言ってしまえばそれま…

効率を追求しないこと

会社からの留学先で、建築を学んでいた頃、設計の作品に学生独特のある種のパワーがあることに気づいた。そして、世の中でつくられている空間にはそのパワーが欠けていることを知った。私は、学生のようにものをつくり続けたい、と強く思いながら、社会人生…

ほっとする

アメリカ・サンパウロ近郊のソーク研究所。ルイ・カーン設計。このような空間にいると、私はフーッと溜息をつく。左右対称の中心がスコーンと抜けている。その先は、真っ赤に染まった太平洋。中央の水路を海へ向かって、ゆったりと光を反射しながら流れる水…

ロックなラーメン

町田・成瀬のJun-peyラーメンに久しぶりに行った。6月11日で4周年を迎えたお店は、すっかり「貫禄」という言葉がふさわしい空間に変容していた。黒皮鉄板にゆっくりと錆が浮いた壁と、BGMのハードロックと、しっかりした味のラーメンが、互いにしっくり…

地下からの階段

地下にある本屋から地上への階段を上る途中、見慣れない姿のビルを正面に発見する。ガラス張りのビルの上部に石張りのデザインを施されていることにいつもは全く気づかない。おそらくこの階段がなければ、そして、地下に本屋がなければ、ずっと気付かないま…

「買う」ということ

最近、青山オフィスの近くでは、リヤカーを引いた豆腐屋さんを見かける。手づくりの豆腐のようだし、安全でおいしいんじゃないか、と想像する。商品の質もさることながら、スーパーで買うことの一番の違いは、買うときに会話がある、ということではないだろ…

色と自然について

池袋のサンシャイン水族館を訪れた。LEDを仕込んだように七色に光るカブトクラゲを見ながら、日頃からの自然色に対するイメージがぐらつき始めていたら、最後に完全に自然色とはどんな色なのか、わからなくなってしまった。最後に見た南米のカエルたちは、ア…

My Sky

見上げれば今日も空は、全ての人を同じように包み込んでいる。いつでもどこでも空を見上げれば「自分の空」であると感じられるような心でいたい、と思う。全ての人がそのような心で空を見上げることを祈りたい。(写真はアラスカ・ユーコン河の空)

追い詰められる時間=楽しい時間

繰り返し書いているが、元来私はなまけものである。何事もぎりぎりにならないとエンジンがかからない。その代わり、追い詰められると集中力を発揮する。だから、どのような仕事にも締め切りが必要である。いつも、つくるものに対して「新しさ」を求めている…

大皿料理 ぼちぼち

このお店はお客さんに階段を上ってもらわねばならない場所にある。当然、上りたくなるような工夫が必要だった。そこで、歩道からお店を見上げたときに見える店内の天井に、「ぼちぼち」歩く足跡マークの焼印を入れて、照明を当てた。足跡を追って、ふらふら…

関西弁

大学から大学院にかけての6年間、京都に住んでいた。故郷・熊本から出てきて、いつしか関西弁を話すようになった。といっても、京都人には6年経っても、「変な関西弁」と言われ続けたが。就職して東京へ出てきたら、標準語を話すようになった。しかし、「変…

カッパドキアの地中

トルコの中央部カッパドキアを訪れると、不思議な感覚に包まれる人が多いだろう。奇岩だらけの不毛の土地に、穴を掘って、つい数十年前まで何千年もたくさんの人が住んでいた、という事実に圧倒される。なにか、別の惑星に迷い込んだような錯覚に襲われる。…

Noodle Bar BUGSY

6月1日にオープンしたラーメン店とは思えないラーメン店、Noodle Bar BUGSY。http://www.gridframe.co.jp/x01bugsy.htm本日撮影に伺うと、通りを行き交う人々が、立ち止まっては「何のお店かなあ」と首をかしげながら通り過ぎる。「それがコンセプトですか…

「つくる」という表記について

「つくる」という言葉の表記にはこだわりがある。「作る」「造る」「創る」の3種類の漢字表記があるが、あえて「つくる」と、ひらがなで表記することに決めている。なぜなら、私たちの「つくる」行為は、上記3種類の意味がいつも交じり合うからである。そし…

障子について

窓ガラスの内側に障子をつけている状態をよく見る。しかし、そのような使い方では、障子の魅力は全く引き出せないと思う。以前にも書いたが、障子の魅力は、内と外が紙一枚で隔てられている、という緊張感にある。その緊張感のない使い方では、障子は退屈な…

車いすで屋根に上るということ

子供の頃から、屋根に上ることに対する憧れが強かった。屋根の上で昼寝をしたい。ただ、ぼーっと景色を見ていたい。その爽快さは、屋根が上るためにつくられたものではないところから来ることを知っていた。誰にも知られないように、こっそりと上る。少しだ…

足跡

今日は、大皿料理屋さんの天井に足跡をつける作業だった。 一発勝負、渾身の右足である。

アーティストを生み出す街:バルセロナ

バルセロナは好きな町の一つだ。1995年の夏、3か月間をそこで過ごしたことがある。バルセロナの旧市街には、壊れかけた古い建物が、そのぼろぼろの壁をそのまんまで晒していた。バルセロナ出身のアーティスト、タピエスの作品は、まるでその壁をそのま…

鬼束ちひろ

一昨年、youtubeを観るようになって、鬼束ちひろという人がどのような歌を、どのように歌うかを知った。いろんな動画を観て驚くのは、同じ人間とは思えないくらい、それぞれで彼女の姿が違って見えることだ。顔も別人のようだ。何かが乗り移ったかのように一…