78:22という不思議な数字については、これまで2度書いた。
http://d.hatena.ne.jp/yogosiurubi/20090828
http://d.hatena.ne.jp/yogosiurubi/20111204
創造性を連鎖させるイメージを理解するには、この数字が切り離せない。
まず、ひとつの空間をつくるときに、つくり込む部分、つまり、創造性を発揮する部分は空間的にも時間的にも22%くらいがちょうどよい。
設計者がそのような指標で基本デザインをしたものを、詳細設計者や制作者に引き継ぐとき、基本デザインの流れでそのままつくるのが78%、そこに新しいそれぞれの創意工夫を入れていくのが22%を理想とする。
創造性の連鎖、という言葉を聞いて、プロジェクトに参加する者の多くが間違うのがここだ。100%の創造性が求められていると勘違いをしてしまう。それでは、連鎖の意味がないのだ。
現実的に過密スケジュールの中で100%の創造性なんて全く無理だし、また、その方が空間がよくなるわけでもない。創造性を入れない78%があってこそ、22%の創造性が輝くのだ。
空間づくりをビジネスとして成立させるために、質を下げているのではない。ビジネスとして成立するから、質の高い空間ができるのだ。
1年ほど前に、社内で「創造性の連鎖は、どの程度成立しているか?」とインタビューした。スタッフは「ほとんど成り立っていません」と言った。「20%くらいでしょうか・・・」と。
つまり、ほとんど成立しているのだ。