gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

開いていること

社会人になったばかりの頃、よくグループで遊んでいた。そのときは、男女10人くらいだったろうか、渋谷から浅草まで夜通し歩いて、みんなくたくたに疲れていた。

最後に朝飯を食べて帰ろうと、残った5〜6人で吉野家へ入った。テーブル席が空いていたので座ろうとしたが、すぐ隣の席には浮浪者と見られるオジサンが座っていた。

となりの席に座るのを一瞬ためらっていたら、トシ子さんがサッと座った。オジサンの異臭を全く気にしていないふうだった。

それから20年経っても、私はそのときの恥ずかしさを忘れられない。海外の未開発の国へ行くとまったく気にしないでいられることが、日本へ帰るとどうしても気になってしまう。疲れているときには特にそうだ。

いつも、どんなに疲れていても、開いていられるトシ子さんのような人間に憧れる。海外で出会った日本人たちには、そんな人が多かった。

つまり、私と違って、日本へ帰ってきても開いた状態で居続けられる人たちである。

やさしくなりたい、と思う。だが、私にはそんな壁をひとつひとつ取り払っていく必要がある。本当にやさしい人とは、壁のない、自由な人のことだ。

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