gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

本と創造力

すぐれた書物は、今より先へ続く道を探しながら書かれたものではないか、と思う。つまり、はっきりとこういうことを書こうという結論を持って、その通りに書かれた文章からは、私にとって得られるものが少ない、と思う。ときおり道を間違えたり、寄り道した…

壁の中

2枚の壁の間のオブジェを探究している。スタッフ003がつくったサンプルをもとに意見を言い合って先へ進んでいく。グリッドフレームという名前をつけたシステム材は、2枚の格子壁の間に任意のものを挟みつける、というためにつくられた。もうほとんど使…

感情

司馬遼太郎の「翔ぶがごとく」の中で、西郷隆盛の「量的に多すぎる感情」という表現がある。徳川幕府を倒すために薩摩藩の志士を率いて奔走した西郷は、明治政府を成立するや否や、平和の時代になって地位を奪われた武士たちへの強い同情の念によって、自分…

Sorcery Dressing

恵比寿駅西口前の花屋Sorcery Dressingの引渡しが終わった。例えば、一輪のチューリップの花を思い浮かべてみる。スラリと伸びた直線的な茎の上に、やさしい円弧を描いた花弁がそっと載っている姿が見える。やわらかな緊張がそこにある。それは花束をつくる…

引越し

新しい家は新鮮な匂いがする。気持ちも新しくなるようで、うれしい。だが、新しい家に移らなくても、しばらく家を留守にしていて、久しぶりに帰れば、ほとんど同じ気持ちになる。いや、朝に家を出て、夜に帰れば、もう新鮮な空気を感じることができる。だか…

高尾山のリフト

高尾山の標高を甘く見ていた。午後になって、自宅の周りは暖かかったので、家族3人薄着で出かけたら、電車が高尾山に近づくにつれ、外は雪景色に変わった。ケーブルカーがあるからいいや、と思っていたら、運休中。歩いて登るには時間が遅いので、残った手…

固有周期

柔道をやっていた少年時代、これから試合をする対戦相手の姿を見て、相手の固有周期を感じ取っていた。(もちろん、そんな知識もなかったが、そうしていた、と断言できる)柔道は相手の体勢を崩して投げるスポーツだ。その「体勢を崩す」という行為が、固有…

浅田真央と金妍児

前回、浅田真央について書いたのはちょうど4年前のバンクーバー五輪のときだった。http://d.hatena.ne.jp/yogosiurubi/20100227すでに4年前に到達してしまった、時間を細かく分割することができる領域からさらにどのような高みを見ているのかを知ることは…

経済と政治

近代資本主義が成立するまでの国では、政治と経済は一体だったそうだ。つまり、国が他国との貿易をしていた、ということ。現在、民間の会社同士で貿易が可能なのは、商品や金を略奪から守ってくれる国の存在があるからだ。(守る役割=政治、稼ぐ役割<実動…

九段会館

年に一度、夏に行われる日本武道館での全国柔道大会のために、小学生から中学生にかけて何度も福岡から東京へやってきた。その度に宿泊したのが、九段会館だ。東日本地震の際に、天井崩落の大事故を起こして以来、どのようになっているかを知らなかったが、…

陽向の一週間

陽向が発熱してから一週間が過ぎた。といっても、熱はすぐに下がり、その後も少し上がったり、すぐ下がったりで、特別に体調が悪そうに見えたことはほとんどなかった。けれど、はじけるように元気な陽向とは、たったの一週間とは思えないくらいご無沙汰して…

欠点

欠点が全く表面に出てこない人には、リアリティが感じられないように、何をつくるにしても、欠点を消し去ってしまってよいものにはならない。そうならざるをえないことを、人は欠点と呼ぶことが多いが、それこそかけがえのないところで、ある意味で、どのよ…

そのまま

何かをずっとそのままにしておくと、なんでも錆びついてくる。それでも、そのままにしておくと、やがてどうなっていくんだろう?もの自体のことではない。それを見ている人間の気持ちのことだ。朽ちることによって、外観は変わっていくけれど、なんにも変わ…

あいまい

例えば、ぼくはコーヒーが好きだ。一日に3回くらいは、ハンドドリップでコーヒーを入れる。家で1回、会社で2回だ。けれど、同じ豆を使っているにも関わらず、家で入れるときは豆が大きく膨らみ、会社で入れるときはほとんど膨らまない。なぜそうなのか、…

映画 ぼくを葬る

2005年。フランス。パリに暮らす31歳のロマンは、売れっ子の写真家だったが、ある日、癌で余命3ヶ月と診断される。そのことを両親や姉にも言えない彼は、真っ先に一人暮らしの祖母に打ち明ける。「どうして、私なの?」と訊ねる祖母に対し、彼は「ぼくと…

ウイルス

陽向がインフルエンザ(?)で保育園を休んでいる。今まで以上に、母親にべったり甘えている。ぼくにはつれない。ウイルスと闘うには、キラー細胞を活性化しなければならないが、そのためにはストレスや不安がないことが大切だという。ぼくは、ちょっとおどかし…

未来

回想するときはたぶんいつも、未来について考えている。 あの人はよくこう言っていた。「ええ、ま、そいそい!」アクセントは頭の「ええ」にある。だんだんか細くなってきて、「そいそい」は宙に消えていく。気持ちが強いと「ええ〜」と伸ばされる。意味は「…

GFファサード&サインのHP

長く続くお店づくりに貢献したいグリッドフレーム(GF)は、 それを第一の目標に掲げて、15年間お店をつくり続けて 独自のノウハウを築いてきました特に、お店の外観については、 場所性やサービスに合わせて カスタマーをどうやって中へ誘導するか、につ…

自由意志

どうしてあの人にはできて、自分にはできないのか?能力の問題ではない。あえていうなら、感情の問題だ。心がざわついて、怒りや悲しみをコントロールできない自分を情けなく思った経験は誰にもあるに違いない。そんな状況下では、自由意志など存在しないに…

映画 ベルリン 天使の詩

1987年。フランス・西ドイツ。ヴィム・ベンダース監督。天使は、静かな佇まいの中年男で、黒いコートを着て、それに飛べそうにないくらいの小さな羽をつけている。街の大きな図書館が彼らのホームグラウンドだ。図書館にはいたるところに、かれらが歩き…

facade & sign 3

← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← 五感に働きかける店舗内装デザイン:マテリアルス

facade&sign 2

← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← 五感に働きかける店舗内装デザイン:マテリアルス

facade&sign 1

← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← 五感に働きかける店舗内装デザイン:マテリアルス

映画 バスキア

1996年。アメリカ。この映画のバスキアの何が好きかといえば、他人の「作品」の上に躊躇なくペンキをのっけて、「ほうら、よくなった」と笑うところだ。ぼくのいう「創造性の連鎖」のイメージの原形がそこにある。それを「子供」といって非難するならば…

三日月

月は、三日月が好きだ。姿かたちも好きだが、これから大きくなっていく、月の子供を見ているような心持になる。低い空に浮かんで、やがて沈んでしまうが、希望を感じさせてくれる。弓張月という言葉が好きで、ずっと三日月のことだろうと思っていたが、半月…

ぼくは初めて鬼になった

節分のこと。「オニは〜ポイッ!」と、掛け声まで新しいなあ、と感心しながら、ぼくは人生で初めて鬼になった。「うわぁ」とかいいながら後退して、最後はベッドに倒れこむと、陽向の「やったぁ!!」という歓喜の声。・・・やりがいはある。撒いた豆を拾って食…

早朝

4時頃に起きて、7時まで3時間くらい考えごとをする。プロジェクトのデザインを考えたり、経営のことを考えたり、哲学的なことを考えたり、自由で豊かな3時間だ。この2年間くらい、早朝という時間をほとんど失っていた。それは一日の価値をほとんど半減…

UB会

ニューヨーク州立大学バッファロー校のことを、略してUB(university at Buffalo)という。ぼくがそこへ留学したときの、最初の英語の夏期講習で一緒になった日本人たちの集まり、UB会が、毎年2月と9月に行われてきた。そこで出会ってから22年。会は、…