ピカリンさんという能登の復興ボランティア活動をまとめつつ、推進していらっしゃる方にお会いする機会があった。 (つづく)
奥能登の穴水町へ入ると、地震被害は大きくなる。 町の中心にある穴水大宮では、鳥居や手水舎が倒壊した。 手水舎のがれきの中に龍が立ち上がる。
鉄板が助けを求める人の群れに見えてくる。
焦土。焼野原。 焦土と呼ばれる場所をこの目で見たことがかつてあっただろうか?テレビや映画ではたくさん見てきた。この写真をメールすると、妻から「ガザかと思った」と返事。 ぼくはかつてスクラップヤードを「誰が来てもおかしくない」空間だと感じた。…
能登町で明治元年から続く老舗の酒蔵、松波酒造は今回の地震で倒壊して、酒をつくれない状態になった。ボランティアがかろうじて生き残った酒米を救出。小松市の加越酒造本部が共同醸造の手を差し伸べて、割れなかった3700本の瓶とともに小松市へ運ばれた。 …
いよいよ能登へ向かっている 地震で倒壊した松波酒造を訪ねて、壊れたモノを寄付していただくためだ もちろん松波酒造の方々は日常を取り戻すために全力で動いていらっしゃる中、ぼくは文字通りお邪魔しに伺うことになる できるかぎり、お邪魔にならないよう…
自分はこちら側にいて、あちら側のモノをつくるような仕事はしたくない ジタバタすることもなく、これがプロの仕事です、と涼しい顔をしてすでに答えの見えている仕事をするよりも、いつも自分にできるだろうか、という不安と期待の中で仕事をしたい 自分が…
夜中の1時頃、仕事から帰ってくると、陽向は立ったまま固まって動かないでいる 最近よくあることだが、この時間はまずい 向かい合って話をして、体をさすってやわらかくする 数十分それを続けて、陽向はようやくベッドへ動いた やわらかな雰囲気の中、運動療…
できないかもしれないことに挑む これを繰り返しながら生きていく 陽向に「一緒にそれをやっていこう」と話す 陽向が微笑む
能登へ壊れたモノをもらい受けに行けることになりました。 まず、正直にお伝えしなければならないのは、ぼくたちは残念ながら、被災した方々が日常を取り戻すためのお力にはほとんどなれない、ということです。 ぼくたちは総勢9人の小さな会社であり、空間づ…
このブログに書く言葉も、誰かに向き合って伝える言葉も、相手に伝えたいと同時に、自分に言い聞かせている言葉だ。 繰り返し繰り返し、自分に言い聞かせる。 いつか、その言葉が自分に浸み込んで、言葉通りの人になれますように。 おまじないにも似ている。…
vimeo.com 鋸南町のSOTOCHIKU&89(通称:パクチー銀行)で出会った方々が表参道のSOTOCHIKUショールーム訪れてくださった。 このようなお仕事に関わられたそうだ。 この「もののけ祭り」の世界は、ぼくが実現したい世界に近い。 自分がそこにいるという実在…
「スーパーマーケットのような」というお題をいただいた空間について、考えている。 水平方向縦横に広いシンプルな空間。柱の大きなサイン。向こう側を感じさせる什器の透明性。 さわやかで、瑞々しい気持ちでいられれば最高だ。
最近電車に乗るのが難しい陽向を毎月通う鍼灸院へ車で連れて行った。 駐車場に止めて、彼を連れて行こうとすると、立ち上がらない。 四つん這いになって動かない。 20分ほど立たせようと格闘するが、もう大人のサイズである彼を思い通りにはできない。 彼か…
能登へSOTOCHIKU素材の寄付者を探す旅に出ているMさんから、今回の地震で大きな被害が出た酒蔵を巡った写真が送られてきた。 木造瓦屋根の酒蔵には甚大な被害が出ている。 能登町の鶴野酒造 能登町の松波酒造 珠洲市蛸島町の桜田酒造
毎日は混沌の中にある。今日も思いもしなかった出来事が押し寄せてくる。 最近は、それを愉しんでいる自分を感じられる。 軸がぶれなくなったのだろうか。 まるで祭りの熱狂の中にいて、同時に外から静かに自分を眺めているかのように。 その行ったり来たり…
昨年11月末に行った第1回「ペンキのキセキ」で塗装していただいた鉄板が4か月ほどの鋸南の時間を記憶して、プロジェクトに使用されるべく引き上げられた。 今回、自由に塗っていただいたペンキは、途中雨が降って流され、人の手だけでは実現できない複雑さが…
道を歩いていて複雑な表面を探すとき、切り株は確実にそのひとつだ。 なにごともそうだが、ものを美しく見るには、その距離を選ばねばならない。・・・「阿蘇の野の花Ⅱ」佐藤武之 距離を縮めてみる価値があるものは何だろう?
【被災して壊れたモノが片付けられてしまう前にぼくたちへ寄付してください】 災害は脈々と続いてきた生活の場を一瞬にして破壊して時間を止めてしまいますが、今、壊れたモノはまだ残っています 壊れたモノは、そこに生命の営みがあったことを記録するもの…
今日からGFスタッフMさんが現地に入り、石川県災害ボランティアに参加。いよいよプロジェクトの始動です。 ぼくは、熊本地震で母親の住む実家が半壊した経験から、被災された方々の願いはとにかく一日も早く日常を取り戻すことだということを知っています。…
今日の陽向は、少し水を飲んだ。そして、少し食べた。 ほっと一安心。 穏やかだ。 そして、「カラオケに行きたい」という。 近くのカラオケに3人で行く。 でも、彼は歌わない。 好きな曲では、ニコニコしていたが、結局1曲も歌わないで終わる。 いつもなら…
陽向は、ハンストしているのか、それとも、食欲を失っているのか? 今日も何も口に入れない。そして、喋らない。 病院へ連れていくか、それとも食べるのを待つか? 気力は感じられる。 目に力もある。 とにかく水を飲ませようとするが、ことごとく拒否してく…
食欲が減退してきたな、と思って見ていた陽向が昨夜から食べなくなった。 一日中、口に何も入れない。水も含めて。 原因は精神的な疲れなのか? どうすれば食べられるようになるのか? 元々蓄積した体力のおかげで、まだ一緒に走ることだってできる。 土曜日…
久しぶりに下北沢を歩く。 以前はもっとごちゃごちゃした町だった。今はずいぶんすっきりとしてきた。 まあ、でもこの写真は以前の下北沢らしい。バロンデッセをつくらせていただいたこのビル。 こんなビルがなくなったら、ずいぶん寂しく感じるだろう、とは…
以上のように、地震で壊れたものを集めて、空間づくりの素材として使用し、未来へ受け継いでいこうと活動を開始しました。 個人的にも、2016年に起きた熊本地震で母が一人で住む実家が半壊になったこともあり、被害の状況のビデオを見ては心を痛めていました…
まずは、ボランティア活動を通じて現地にコンタクトすることから始める。現在能登半島地震のボランティア活動は大きく分けて自治体が個人の活動をまとめてコーディネートする場合とNPOや地域と学生などが自治体と交渉しボランティア活動をする場合があると思…
今、ぼくたちは、能登半島地震で壊れた建物から、ソトチク素材を集めて新しい空間に取り込むことができないか、と活動を始めている。 その先頭に立つ山崎誠は、13年前の東日本大震災で復興ボランティアとして2年間、東京から毎月40棟しかない海辺の小さな集…
ぼくらグリッドフレームは、「風雨や日光に晒されたり、生命活動の場にあり続けることで時間や生命の営みを記憶した素材を寄付で集めて、新しい空間づくりの素材として生かす」という試みを5年ほど前から始め、そのプロジェクトをSOTOCHIKU(ソトチク)と名付…
令和6年1月1日に発生した能登半島地震では家屋の倒壊、火災、津波、土砂崩れによる交通の寸断、海底の隆起など多岐な災害が発生し2ヶ月以上経った現在でも復旧が進んでいない。 能登地方は半島という地理条件の下、震源地に近い半島先端部への交通手段は…
ぼくは20歳でアフリカのケニア・タンザニアを旅して、何を得たのだろうか? アフリカのアートに魅了されている、という方にそのときに経験した何を伝えようか、と考えたときに、自分なりに発見があった。 ぼくは日本にいるときに、日本の暮らしと最もイメー…