2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧
2013年。新海誠監督。 この映画を支えるとてつもなく美しい背景は、かつて毎週のように日曜日に行っていた新宿御苑であるという親近感も手伝って、この作品に引き込まれた。 雨宿りする東屋で出会う男女。他に誰もいない。このようなシチュエーションが生ま…
安富歩さんの1月20日の講演で、彼が唱える「子供を守る」とはどういうことか、を説明している。 日本の政策の大本はずっと「富国強兵」だったが、もはや核兵器が使われる戦争に強い兵士はいらない時代になっている。 まともな戦争はもう起らない。あるのは、…
「はかなさ」 消えやすく長続きしないこと 「せつなさ」 胸が締め付けられるような悲しさや、つらさのこと ぼくらは、何かを失うことや失う兆候・予感に対して、美しさを感じる。美を感受する心とは、「はかなさ」や「せつなさ」というぼくらの生まれながら…
空間をつくる仕事でコンペ形式をとるプロジェクトが減ってきている。 もうコンペというものが時代的に古くなってきているのだろう。 理不尽なものは消えていくしかない。 そもそもフェアなコンペなどほとんどない。憤りを感じること、虚しさを感じることはと…
日本10番目の富山県にある自動車会社。社員426名と断トツに少ない。 1日1台の車を丁寧に生産。こだわってつくる。 それにプロトタイプがあったとしても、創造を加えていくことが時代を進める。 こうありたい。
昨日の高層ビルの現場が、立場主義の見本のような状況になっていることを思うとき、サグラダファミリアがいかに異なるつくり方で進められているか、に改めて感動する。 このようなつくられ方が可能になるためには、多くの才能あるつくり手が必要だ、という意…
昨年後半はスーパーゼネコンが高層ビルを建設中の現場に店の内装工事として入った。 完全にとりかえのきく部品のように扱われる雰囲気が場を支配していたようだ。スーパーゼネコンとはビジネス上の関係がないぼくらは、問題があるたびに戦ってればよかったが…
ランボルギーニの創始者フェルッチョ・ランボルギーニは、1963年の設立から1974年にすべての株を手放すまで、自分の高い理想の車を実現することだけに情熱を注ぎながら時代を駆け抜けた。 「当時ランボルギーニは、他の自動車会社のデザインや哲学を超えた、…
Bという結果を得るために必要だから、Aを施す。 だが、往々にして、Aを施したことはB以外の様々な結果をもたらす。予想もしない結果を。 世の中の事象から複雑さを削り取り、シンプルな構造として見ることで、AならばBという構造が得られて、Aという政策がつ…
先進国の中で、日本はマスコミを信じている国民が著しく多い、という表がある。 ヨーロッパやアメリカでは信じている人は3分の1もいないのに対し、日本は実に70%以上の人が信じているそうだ。 日本人は人を疑うのが嫌いなのだろう。ぼくもそうだ。 しかし…
遠い先にある風景を眺めていても、 指の先で感知するあの微細な違いには永遠に届かない 地下へ階段を下りて廃墟にそっと触れる それが静かに微笑んでいるのを知るのは、 真に一人でその空間に向かい合う者だけだ それは、つくられた関係を失い、 いつの間に…
「懐かしい悲しみ」とは9歳の息子陽向がワードで打った最初の日記のタイトルである。 そろそろ懐かしい思い出が浮かんでくる年頃だろうか? そして、その悲しみを多様な視点で受け止めることができるようになった、ということだろうか? 陽向のストレートな…
先に紹介した講演の中で、ウォール街の人々を、非人間的な怪物のようにイメージしてしまうことを、講演の感想ページの中に書いたら、次の方が下記のように書いておられた。失礼かもしれないが、そのまま引用させていただく。 ぼくへのレスポンスかどうかはわ…
1982年。アメリカ。 1973年のチリ・クーデターを背景として、在チリ・反体制派のアメリカ人がアメリカ大使館に見殺しにされた、もしくは、殺害を促された実話を追う。 アメリカが世界中で仕掛けてきた戦争・内戦・紛争がどれだけの人々を悲惨な目にあわせて…
これまで何度もドラマで見てきたセリフとして、 「自分の家庭も幸せにできない人が、社会を幸せにできるわけないじゃない!」 というものがある。 たぶん、このセリフを吐く人の発想に問題があるのだと思う。 「社会を幸せにできない人が、自分の家庭を幸せ…
堤未果氏の講演を動画で見た。 ウォール街にいる、未来のことを考えないで大金を手にしようと考える人たちが世界を破壊しようとしている。お金の流れを注視して、お金に変えられないものを決して失わないように、地に足の着いた活動を未来のためにやっていこ…
いつも食べているパンにグリホサートという農薬が検出されたという。 量は、1日の許容値の100分の1にも満たないようで、別に問題なさそうだが、元々、この基準自体もどのくらい信用していいかわからない。 パブリックに対する疑念を抱き始めると、真面…
廃墟が静かに微笑んでいるのは、 つくられた関係を失って、自然との関係に戻ったからだ 自然の一部であると気づくことは、なにか口元を緩ませるところがある この季節は、日が射す時間が少しだけあるんだ それが待ち遠しい 待ち遠しい気持ちを幸せに感じるの…
スタッフが望んでいる未来について、思いを馳せてみる。 鉄を材料とした空間造作は自分の体よりも大きなものをつくることも多いが、本当は軽くて手の込んだものをじっくりとつくるのが好き、というスタッフもいる。 そんな彼らが重くて危険を伴う大きなもの…
タイトルは、上島嘉郎という方のメールマガジンからだ。 第二次世界大戦において緒戦は日本軍は米英を圧倒した。日本軍が強かったのは、上層部の作戦は抽象的で粗雑だったが、「戦闘部隊の練達した戦闘技量、瞬時における迅速果敢な行動展開」が優れていたか…
2014年。クリント・イーストウッド監督。 イラク戦争で160人を狙撃した実在の人物クリス・カイルの生涯。 対テロリストの戦いの現場をイメージさせてくれる映画だ。テロリストを一掃することなどできないし、それが弱い国の人々の希望だ。 アメリカがベトナ…
強制はよくない。 だが、会社として、何が大事か、を話し合っていく必要がある。 だから、スタッフに文章を書いてもらおうと思う。 半年に一度。 4000字以上。 個人のコト、会社のコト、世界のコト。 一緒に話し合いたいコト。
やすおかむら、と読む。長野県の山村。 1930年代に、満洲へ半ば強制的に移民されられた「満蒙開拓青少年義勇軍」。 泰阜村からも1144人が送られた。農民として、そして、ソ連が攻めてきたときの人間の盾として。実際に、終戦間近にソ連が攻めてきた…
陽向が柔道に通う赤坂警察署の武道始式なるものがあり、その後、親子で集まり焼き肉屋へ。 なんと10家族に満たない中、子供が5人いる家族が3組もいることが分かった。 常識が覆された感じで、圧倒された。
(「満洲暴走 隠された構造」安富歩) 「家」を守るために、戦争にいく。徴兵されて死んでも、そのことで子孫は優遇されていく。 室町時代から江戸時代までは、それまでの「氏」に変わって、「家」の時代だという。 だが、明治から昭和にかけて、家が崩壊し…
森に覆われた大地が、20年や30年のうちに一面の大豆畑に変えられた。 大日本帝国がこれを満州で始めた。 今、アマゾンの森で起こっていることと同じだ。 20世紀に始まったこの変化は、現在に至っても止まらず、地球の自然を破壊し続けている。 満州の歴史は…
フンボルトペンギンに、ショーの技を教えている下田水族館の飼育員の仕事に興味を持った。 鳥類にも高度な芸を教えられるのか? 技は未完成だったが、まだ見たことがないものだ。 それだけにワクワクするものを感じ、大いに満足した。
南伊豆には、爬虫類の動物園izooとカエルの動物園kawazooがある。 どちらもほとんど動かない動物を見ることになるが、眠くなることはない。 火星人など、宇宙人を描かれるときは、爬虫類的な外観をしていることが多い。 人間がもっとも人間から遠…
1867年(慶応3年)創業の下田・金谷旅館の千人風呂に入ってきた。 プールのように深くて縦長の湯舟が木でつくられており、薄暗い空間は湯煙のために遠くはかすんで見えない。 元来は混浴だそうで、女湯とは深い水路で結ばれていて、今も女湯から湯につかったま…
ほとんど衝動と呼んでもいいような強い気持ちで知を得ようとした留学時代。 30歳前後でアメリカで建築を学んだぼくは、そのときにできることは全部やった、という自負がある。 そんな時間を過ごすことができた後で、日本での大学生時代を振り返ると、自分に…