gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

自然の美しさについて

海野次郎さんは、奥多摩に暮らしている。海野さんは、奥多摩の自然を描く。だが、自然は美しいというより、いまわしく恐しいものだ、と語る。自然の中で暮らす、とはこういうことだ。自然は風景として眺めていればよいものではない。自然とは闘う相手なのだ…

004との対話

001:これまで創造性の連鎖をうたってやってきたけれど、これからはこの会社がそれを本当に成し得ているのか、そして、もっとこれから推進されていくのか、ということを知らなきゃいけないと思っています。そのへんがどれくらい達成されていると考えてい…

鐘の音が 遠く響き渡るとき僕は 今日初めて 空を見上げた気がする ← ランキングに参加しています クリックありがとうございます

ノアビル

東京タワーのすぐ傍にノアビルはある。白井晟一の設計である。東京タワー近辺にはお寺や宗教建築が多いが、ノアビルはオフィスビルにもかかわらず、不思議な磁力を感じるビルだ。入口の桁外れに背の高いプロポーションなど、日本の常識を超えている。レンガ…

ガラスの曲線

スタッフ003がガラス工房で、ガラスの曲線をつくるというので厚木へ出かけた。ガラスの塊が4〜5mに延びる様子を見ながら、ガラスの可能性について考えた。やわらかさ、透明度、量感、温度、光に対する性質、なめらかな質感、壊れやすさ、加工の自由度…

がんばる人たち

世の中でがんばる人たちは何かに突き動かされている。「突き動かされる」という言葉は、たぶん枯渇を前提としている。何かが足りないから、突き動かされるのだ。第一段階。何を足りないと感じているか。物理的か、精神的か。顕在的か、潜在的か。いずれにせ…

利休の茶室

あるプロジェクトの計画で、利休の茶室について調べている。以前本を読んだときもそう思ったが、利休の茶室には凄味がある。それは、戦国の時代に、武将同士が一対一で向かい合う場であったからだ。茶室の外には刀掛があり、どんな者でも丸腰で茶室に入る。…

夕陽

なんだか久しぶりに夕陽を見た。この時間に外にいないことが多いのかもしれない。神宮球場の電光掲示板への照り返しが美しい。いや、夕陽の中にあっては、おそらくほとんどすべてのものが美しく見える。それは、10分くらいの間だろうか。きっと被災地のが…

アーティストたちの空間制作〜見積について

グリッドフレームの空間制作の特徴は「つくりながら考える」というプロセスにある。通常の店舗空間をつくる会社は、設計時に全てを決めてしまい、設計図通りに職人がつくっていく。だから、見積書に、材料単価と㎡数、人工などが明記されている。クライアン…

ヒトラーに共感してはならないか

カンヌ映画祭で、トリアー監督というカンヌの常連監督が「ヒトラーに共感している」と言ったら、映画祭の出入り禁止になったことがニュースになっている。ヨーロッパにとって、歴史上ヒトラー以上の悪者はいないのかもしれないが、彼とて人間である。誰にと…

映画 アナザーカントリー

20世紀前半のヨーロッパ白人社会の背筋の伸びた服装スタイルは美しい。英国の場合は特にそうだ。伝統という言葉がよく似合う。しかし、考えていることといえば、権力や地位のことばかりだったりして、単純に醜い。その他の社会と比べて、崇高な思想がある…

はじめてオーロラを見たとき

陽向と一緒に時間を過ごしていると、彼が初めて何かを見る、という場面に出くわす。初めて海を見たとき、初めて雪を見たとき、初めてトラを見たとき、・・・。その度に、彼の一瞬の放心と、直後の好奇心を認めた。アラスカで初めてオーロラを見たとき、私は24…

記憶をたどらない 3

土木工学の修士課程を修了した後、ゼネコンに入社し、留学の機会を与えてもらい、アメリカで建築を一から学んだ。アメリカへは、土木工学の教科書や、自分が書いた論文を一箱分送った。必要ないことは分かっていたが、忘れてしまうことが怖かったのだ。案の…

記憶をたどらない 2

毎日、このブログを書いていると、一日の中で「おっと、これについて書こう」ということにぶち当たることがある。そのときにメモすることができればよいが、外を歩いていたりしてメモできなければ、まずほとんど忘れられてしまう。夜、コンピュータを前にし…

記憶をたどらない

関園子さんの写真作品のつくり方には、考えさせられることがある。http://d.hatena.ne.jp/yogosiurubi/20110501『関さんは、ご本人いわく「いちばん安いバカチョンカメラ」をポケットに入れて、気に入ったものをパシャッと撮る。そして、現像してもらった写…

夢で逢いましょう

父が交通事故で急死してから、もうすぐ半年になる。一週間ほど前に、父が夢に登場した。死後、2回目の登場だ。父の法事で狭い会場はたくさんの人で混みあっていた。人をかき分けながら、誰かが私に近寄ってきた。喪服を着ている父だった。私も誰の法事なの…

明日へ(present)

毎日に潰れそうだいつの間にかという言葉に逃げて 変わる自分を見過ごすことができるほど 小さくなったんか 捨てられたものたちが寄り添う 運河の町は油にまみれて 白い手をまずは汚して汚されて そして瞳を清める 一歩だけ向こうへ 半歩だけ向こうへ 進むの…

映画 八日目 その2

昨日は、一般的なことを書いた。知的障害者との関係については、もっと考えてきたことがあるので、それについて書きたい。知的障害者たちがアートを描いている施設がある。http://studiocooca.com/ そして、その作品の中には、よいものがたくさんある。私が…

映画 八日目

ダウン症のジョルジュが主人公である。知的障害者という外部的な存在について語ることはタフである。正直なコメントが差別的に聞こえるのではないか、と神経をとがらせる必要を感じるからである。だから、この映画について語る人は少ないのだろう。今、私も…

バルセロナ

人間をクリエイティブにする町をつくりたい。クリエイティブになるとは、「前を向いて、自分の頭で考える」ということだと思う。バルセロナは、少なくとも自分をクリエイティブにしてくれた町である。そこには混沌が点在していた。それなりに秩序の保たれた…

自分の視点を提示する

"After all, the most important thing is your eye, Toshi." (結局、大切なのは自分の目だよ、トシ。)Professor Ted Lawneyが帰国前の自分にかけてくれた言葉だ。テッドはいつも私のプロジェクトを称賛してくれた。「汚しうる美」の論文にも最大限の評価…

考える価値

「考えることにとって重要なことは、いったい何が考えることに値することなのか、を考えることです。」http://www.ashida.info/trees/trees.cgi?tw=&log=&search=&mode=&v=228&e=res&lp=228&st=0インターネットである映画の批評を探して読んでいたら、芦田宏…

地図の端っこが好き

生まれる前に、地球儀を見せられて、「君はどこで生まれたいかな?」と訊かれるシーンを想像する。私は、日本を指差す。理由は「地図の端っこが好き」だから。 アーティストの毛利亜紀さんと10年前に出会ったとき、「地図の端っこが好き」と言っていたのを…

君が見るものを僕も見る

君があまりにも楽しそうだから君が見るものを僕も見る君が聞く音を僕も聞くほうら 楽しくなってきた ありがとうございます

形式は美しくなければならないか

アメリカの大学で建築を学んでいるとき、いつも設計のプロジェクトはひとりずつのプレゼンテーションで終わった。それは言葉が得意ではない留学生にとっては、自分の存在意義を周囲に示す唯一の場ではなかったかと思う。大げさでも何でもなく、自分の存在を…

water line

風は強く 君をさらい ゆらりゆらりと 運ぶのかな 僕は少し 目を細めて 見え隠れする 波を見てるbaby baby 君のことを想い出せば 遠い海が見えるよbaby baby 君の名前を呼んだら 白い波が寄せるよ ゆらりゆれる波を逆さにして 空が海の下に広…

大人の言うこと

テレビのバラエティー番組で、「大人の言うことをよく聞いて育った子供は、言うことを聞かないで育った子供よりも、成功する確率が圧倒的に低い」と言っていた。現在の小学校の授業の荒れ具合を少しでも知っているディレクターであれば、こんなアホなコメン…

POST311 GF座談会第1部

グリッドフレームの座談会第1部をアップした。http://www.gridframe.co.jp/post311.htmその中で、GFのコンセプトについて話し合ったりもしている。スタッフとこんな話をできる喜びを改めて感じた。お互いを理解し合う、ということは簡単ではない。しかし、…

no children in the world

東京には子供が少ないと思っていた。数年前まで、めったに子供の存在を感じることがなかった。都会で仕事をしていると、世界に子供はいないかのようだった。自営業をやっている職人さんの自宅に電話をしたら、4〜5歳くらいの子供さんが出たことがある。相…

陽向は相変わらずのマイペースでまだちゃんと歩かないが、そろそろ靴を履いたところを見たいという親の勝手な事情で、靴を買いに出た。初めて靴を履くとは、どんな気持ちだろうか。日頃、靴下すらあまり履きたがらない陽向に、靴下を履かせ、靴を履かせる。・…