gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

5月

零時をまわって、5月になった。ゴールデン・ウィークの恩恵は、ぼくらの仕事にはあまりない。その年にはよるが、今年はかえって忙しい。とはいえ、1年の3分の1が終わって、区切りの時期でもある。少しでも落ち着いて、周囲を見回してみる。ぼくらは動いてい…

マテリアルス

マテリアルスのHPを大幅更新中だ。http://www.materiars.jp(今後、一週間でもっと変わる予定)黒背景のグリッドフレームに対して、白背景のマテリアルスは異なるコンセプトの空間を提供している。グリッドフレームがコンセプトの深さを追求していく、という…

ヌーの大移動

ケニアの国立公園でカバを見たとき、彼らはヒッポプールと呼ばれる水場にいて、人間はそれを崖の上から見下ろす、という環境だった。カバは一生、崖の上にのぼってくることなく、広いとはいえないその水場で暮らすのだな、とぼんやりと思った。だから、動物…

映画 ノルウェイの森

2010年。トラン・アン・ユン監督。村上春樹の「ノルウェイの森」が一世を風靡したのは、ぼくが学生だったころだ。ぼくには流行りものを嫌悪してしまう悪い癖があったので、その頃は読む気にならなくて、たぶん4、5年が経ってから読んだと思う。初めて…

自然について

人が意図とは関係なく動いてしまうことをぼくらは「自然に○○する」と表現する。その「自然」にも二つがあって、ひとつは外的な要因(例えば、自然科学的な要因)によるもの、もうひとつは内的な要因(例えば、互酬制など共同体内の規則など)によるものであ…

白と黒

あしたのジョーは、最後の闘いの後、灰になって死ぬ。そこには、白い無限の世界が広がっている。映画のスクリーンは、黒い無限の中に浮かび上がる。白い無限と黒い無限とは、どのように違うだろう。ぼくはこう思う。白い無限は死後の世界で、光に満ちている…

ライオン

陽向がライオンに夢中だ。ライオンの魅力のひとつは、オスとメスの違いが大きいことだろう。陽向は、ネットの動画でディズニーの「ライオン・キング」を観るときに、たてがみがあるのを「ライオン!」と呼び、たてがみがないのを「ネコ!」と呼ぶ。そういえ…

メッセージ9

この言葉には、説明はいらないだろう。ぼくらが未来に対してできることは、愉しんで生きる、ということだ、と思う。ぼくらは、精一杯、愉しんで空間をつくる。 ← グリッドフレームのHPはこちらです

メッセージ8

人間の自然は、みんなバラバラの方向を向いているということだ、と思う。だから、複数の人間でひとつの空間をつくるときは、ひとつの方向へ無理に引っ張ってはいけないと考えている。そうすることによって、空間は多様性を獲得する。そのような店舗が、多様…

郊外

郊外のショッピングセンターへ子供連れで行ってきた。日曜日のために子供連れの多さが目立った。東京の街中では、子供が少ないために陽向を連れていると、周囲の人が話しかけてくれたり、優先して通してくれたり、と色々気を遣ってくれることが多い。そうい…

映画 シークレット・サンシャイン

2007年。韓国。イ・チャンドン監督。韓国の映画には、なにか怖くなるくらいの切迫感がある。この映画に関しては、素晴らしい批評がある。http://pointbreak.blog66.fc2.com/blog-entry-164.htmlこれを読んで、シネとジョンチャンは対照的な人物であるこ…

メッセージ7

ぼくらが「自然」というとき、例えば植物を思い浮かべることが多い。それは、人の行為とはあずかり知らぬところで、ひとりでに変化していくものをイメージしているからだろう。「自然」の反対語は「人工」なのだから。自然には自然のルールがあり、ぼくらは…

メッセージ6

ラジオがテレビよりも優れている部分は、意識を集中せずに、何かをしながら聴ける、という点だろう。ラジオはより環境的なのだ。流すこともできるし、集中もできる。それが、そこにいる人の自由に任されている。もちろん、ジャマになってはいけない。これは…

メッセージ5

自分は、取替えのきかない存在か?この問いがその人が生きていくためにどのくらい重要なものか、を知ることは難しいかもしれない。ぼく自身は、取替えのきかない存在でありたい、と思っている。しかし、そのような認識なしでは生きていけないくらいに、ぼく…

メッセージ4

浦島太郎が竜宮城で夢のような時間を過ごした後、帰りにもらった玉手箱を開けるとおじいさんになってしまう話は、「めでたし、めでたし」では終われない。この肩透かしを食らったような感覚は、子供の頃のぼくにこんな教訓を与えてくれた。身の丈に合わない…

メッセージ3

オープン時に空間としてのピークを設定することには、実質何の意味もない、と考えている。店とは、時間が経つごとに魅力を増していくべき存在だ。永く続く店にするお手伝いをすることが、私たちの使命だ。社会に楔を打ちつけ、後世に語り継がれるような店と…

春の陽

どんぐりをいくつか拾って、顔を上げると春の陽が差す。 ← グリッドフレームのHPはこちらです

映画 パンチドランク・ラブ

2002年。アメリカ。コンテクストの不確かさが妙に心地よい映画だ。逆に、些細なことに意味があるような映画からはリアリティを感じない。現実の変な男とはこの主人公のような男で、害悪であると同時に、だれよりも正義の味方であるような男だ。ぼくは彼…

メッセージ0

今日、10枚目を追加した。だが、位置的には0番目のメッセージだ。 ぼくがつくりたいものを他人に正確に伝達することは、ほとんど不可能だ、と思う。もちろん、図面に描けるものは、他人の手によって同じものをつくることができる。だが、つくりたいものす…

メッセージ2

感性の時代を生きていると思う。お店を運営される方も、そのお店の空間をつくるぼくたちも、そのお店が永く続いていくために身につけるべき一番大切なものは感性だ。それは情熱以上に大切だと思う。一生懸命なだけでは、生きていけない。もちろん、技術は大…

メッセージ

HPの冒頭にクライアントへのメッセージを9枚の画像にまとめた。http://www.gridframe.co.jpそれらについて一枚ずつ、書いていこうと思う。きっちりした「プロの仕事」というものをバカにするつもりはないが、なによりも、つくる人が愉しんでいなければお客さ…

ベビーカー

3年に亘り、お世話になったベビーカーが引退する。もう通園にも必要なくなったからだ。すでにボロボロの状態で、曲がることすら困難になっていた。いつもベビーカーを押してジョギングしていたからだ。ジョギング用のベビーカーではないから、周囲は不思議…

星よ ぼくの声が 聞こえますか ひとりではないこと 信じようとして ぼくはここにいる 空とつながったと感じる瞬間が、これまでに何度かある。こんな感覚を覚えるのは、ぼくが空の小さな土地に住みながら、空の大きな土地をよく旅をしたからかもしれない。旅…

ざわめき

心がざわめくとき、それが腹に留まって、胸まで上がってこないようなら、ぼくらはちゃんと対処することができる。以前は、胸が騒いで動けなくなってしまったこともある。それでは、負の連鎖を止めることができない。ただ、運を待つだけだ。どのようなときも…

知らないことの強さ

知らないことの強さ、というものがある。プロがつくるものよりも、学生のつくるものが輝いていることがある理由はここだろう。知識と経験は、一般にやってはならないことを増やしていく。世の中に同じようなものが多いのは、その帰結と言える。世の中に面白…

4月初旬の雨

大学に入り、熊本から京都へ来たときの4月は、ちょうど今年のような雨の多い4月だった。まだ友人もなく、そのうえ暖房器具もなく、心も体も寒かったことを覚えている。新生活は、ハングリーな状態で始まるものだな、と思った。入学したら、しばらくコンパ…

新生活

いろんなことを経験し、考えた結果、マテリアルスは外部のつくり手の創造性を生かすために、グリッドフレーム内部のつくり手を入れよう、ということになった。つまり、グリッドフレームのスタッフ全員が積極的にマテリアルスに関わっていくのだから、会社全…

過剰なもの

バブル崩壊を境に、日本から失われたものをぼくの表現で言えば、それは「過剰なもの」だと思う。別にバブルのときがよかった、といっているわけではない。バブルの前だって、過剰なものはぼくらの周りにふつうに存在していた。だが、バブル崩壊とともに、そ…

7th code

スガシカオの「黄金の月」のコードをネットで調べてみたら、セブンスコード満載だった。この曲の美しいけれどなんとも不安にさせるメロディはきっとセブンスコードから来てるのだろうと、音楽理論について全く無知なぼくにとっては、発見である。ギターでコ…

転校生

陽向は今日から新しい保育園に通い始めた。昼間は元気な陽向だったが、夜中3時に突然大声で泣き始める。本当は転園にストレスを感じているのかもしれない。ぼくも父親の仕事の都合で転校することが多かった。ぼくは転校はきらいではなかったが、3歳の陽向の…