gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

能力

ぼくは、デザインが仕事なのに、「文豪」みたいに時間を過ごしていると揶揄されてきた。 確かに、文章を書くことは好きだし、プライベートと仕事の境界はないと思っているから、いわゆる仕事っぽいことを仕事の時間にしていないことは多い。 そのような行動…

小学校

陽向の小学校の担任先生との面談があった。 親の目から見て、陽向は、未熟なところと感心するところがちょうど半分くらいずつを占めていて、どのくらいぼくらの経験から彼を誘導しようとすべきか、決めかねている。 自主性に任せたい、のはヤマヤマだが、つ…

結束線

鉄筋をつなぐための結束線というものがある。 つないだ後で、鉄筋はコンクリートの中に入るのだから、それまでの一時的なものだが、鉄筋で組まれた複雑なカタチはこれがなければ成立しない。 このカタチはコンクリートが打たれた時点で永遠に姿を消すのだか…

おとうさん・・・

コンタクトレンズを妻と買いに行ったら、30代と思われる男性店員が、妻のことを「おかあさん」と呼んだ。 そして、まさか、とは思ったが、ぼくのことを「おとうさん」と呼んだ。 その瞬間、 「お前におとうさんと呼ばれる筋合いはない!!娘はやらん!!」 …

映画 今日子と修一の場合

2013年。奥田瑛二監督。 東日本大震災の前にすでに不幸だった男と女は、震災によって、どう変わったのか? これは、コロナ禍の前にすでに不幸だった男と女は、コロナによって、どう変わったのか?と似ている。 震災から1年も過ぎてから、互いに知らぬ同…

スイカを覆うカゴ

野菜を育てる中で、スイカとメロンはちょっと別格扱いだ。 葉はすごい勢いで成長する両者だが、今回、実はどれくらい大きくなってくれるものか、想像がつかない。 実の先にある茎を切って、土からのエネルギーが実に集中するようにする。 さあ、これからどれ…

映画 天気の子

2019年。新海誠監督。 彼女が祈ると晴れになる、という超能力を持つ15歳の女の子・陽菜は親を失って、小学生の弟と暮らす。16歳の帆高は、神津島からの家出少年。 社会的な最弱者たちが、誰も持たない超能力を持っている、という構図。 このような構…

動きながら考える

ぼくはどうやら、止まっていないと考えられないタイプかもしれない。 考えるということが言葉を必要とする行為であるとすれば、の話だ。 もちろん、柔道をやるときは、それなりに考えてやっていたように思うが、考えていたのは脳みそではなく筋肉だったかも…

諏訪湖

諏訪湖を走って一周した。16kmあるらしい。 ゆっくりと走った。水辺を走るのは、何か心が落ち着く。 心臓の側に、水がある方がよい。トラック競技と同じ、左回りだ。

軽石

軽石の表情は豊かだ。 表面は削れやすいし多孔質だからだ。 色も、白系だがある程度の範囲がある。 積んだときに、静かにも見えるし、迫力を感じることもある。 日光の変化に合わせて、さまざまに表情が変化する。 (撮影 山崎雅人)

生命

数日ぶりに現場に戻って、空間が生きているのを感じられた。 生きているとは、どういうことか? それぞれのつくり手の魂を感じられる、ということだ。

理想の生活

コロナ禍によって産業資本主義がいかにもろいか、を思い知らされて、それぞれの人の理想の生活像自体が変化してきているだろう。 ただ、多くの情報が飛び交っていて混乱しているために、今後を見通すことができず、なかなか言語化できる状況ではない人が多い…

地中

こちらは植えただけでほとんど何もしていないのに、野菜の実がなってくれるうれしさ。 土と雨と太陽のおかげだ。ミツバチや蝶も受粉を手伝ってくれたに違いない。それから、土の表面や中にいる節足動物、微生物。周囲の雑草たちも、スイカやメロンの下に敷か…

壊れていることを前提として

壊れていることを前提として、モノとつきあっていく生活の豊かさについて思う。 ブラックボックスに囲まれて、壊れれば捨てるしかない生活はもういらない。 ぼくらには、もっとできることがある。

数か月の試行錯誤を重ねて、K邸の壁はこうなった。

GF9 SOTOCHIKUの今後の歩み

2020年、上記の仕組みに法的問題が生じないように微調整と、ドナー規程や各種契約書を弁護士事務所へ依頼し作成済みである。また、広く一般のSOTOCHIKU素材の所有者から情報を得て、その中から新しい空間づくりに使用することができるように、ウェブサイトを…

GF8 「なったもの」への回帰SOTOCHIKU

当社が「なったもの」を内部空間へ取り込むことを一度断念したのは、2003年頃だ。問題は次の二つであった。 1.「なったもの」を内部空間へ取り込むためにつくったシステムパーツが、十分な汎用性を持ちえなかったこと。 2.「なったもの」をスクラップ以…

GF7 「創造性の連鎖」の実績と課題

このようにしてつくられた未完成でエネルギーの高い空間は、お店のスタッフやカスタマーにとって一対一で向き合うことで別々のなにかを発見できるような「自由になれる空間」となり、そのことが例えばスタッフの創造性を刺激し、引き渡し後も柔軟に更新され…

GF6 試行錯誤は個人にしかできない

たくさんの人が一度に動くときは、一人が頭を動かして指示をして、他大勢はそれに従うことになる。指示の内容も、大勢にとって分かりやすいものである必要があり、また失敗によるやり直しはできるかぎり避けなければならない。だから、予定調和が成立するよ…

GF5 躍動的に更新され続ける「創造性の連鎖」

この設立から地盤固めまでの激動の間、グリッドフレームはシステムパーツでスクラップや「なったもの」を挟む仕事はほとんどなく、当社の制作に使う機会も次第に減っていった。だが、当社はデザインや制作の独自の進め方によって、「外部性を内部空間に取り…

GF4 グリッドフレームとは「なったもの」と共存するための「つくられたもの」

当社の社名「グリッドフレーム」は、私が考案した、格子状骨組(グリッドフレーム)2枚で、間にスクラップなどの「なったもの」をはさみ込んで壁を成立させるシステムパーツの名称であり、そのままでは往々にして無秩序性が強すぎて、多くの人が怖いと遠ざけて…

GF3 「つくられたもの」ではなく、「なったもの」の外部性を取り込む

スクラップヤードも含めて、「とりかえのきかないもの」と向き合える空間や建築は、巷に忘れ去られたように点在する。風雨や太陽に晒されて風化した壁、車輪や人がいつも踏みつけることによって傷ついた床板、・・・それらは、空間や建築に「時間」という自…

GF2 スクラップヤードから始まった

1990年代にニューヨーク州立大学バッファロー校の大学院で建築を学んでいるとき、建築模型をつくる材料を集めるためによくスクラップヤードへ通い、うず高く積み上げられた鉄スクラップの山から気に入ったものを探すのが日常であった。何度も訪れるうちに、…

GF1 途上国で知った「自由」

株式会社グリッドフレームはどこから来て、今どこにいて、これからどこへ行こうとしているのか?改めて、まとめる機会があったため、ここに数回、連載しようと思う。 ・・・・・・ 1985年はプラザ合意の年で、ここから円高はどんどん進んでいった。当時、大…

七夕

陽向が、彦星と織姫が会うのを見に行こう、というから、夜中星を見に外へ出た。 雲が出ていて、星は見えなかったが、雷のような光があって、陽向は「あれがそうだったのかな」と。 子供との時間は、いつだって素敵だ。

得票

都知事選では、インターネットで選挙活動をしていた人たちの結果はよくなかった。 コロナ自粛は、テレビの視聴率のみを上げたのだろうか? 内省的になった人たちは、インターネットで自分の意見を明確に示した人に票を投じる可能性が上がる、と考えていたが…

都知事選

小池知事の再選が大差で決まった。 去年の参議院選まで、ほとんど政治に無関心だった自分を顧みると、この結果は不思議ではない。何もしない体制側が買ってしまう。 自分が無関心ではなくなったように、どのくらいの人が関心を持つように変わったのか、を知…

きっかけ

安部首相や麻生大臣たちには、そして、小池都知事たちには、どうしても実感できないであろう弱者との間にある壁を、どのように互いが越えていくか、という仕組みを考えていくこと。 弱者は、壁の向こうにいるその人たちが助けてくれるだろう、とどこかで信じ…

消えてゆく何かを寄付して未来をつくる

sotochiku.comへ導入する広告として、スタッフが動画をつくってくれた。 ある人の半生を、今は廃墟となった家から振り返る内容だ。 人それぞれの過ごしてきた時間には、とりかえのきかない価値があることを、ぼくらは知っているが、それを実感する機会は少な…

クロス壁からの変容

クロス壁を剥いで、奥行きを感じられる壁に変容させる。