2002年。アメリカ。
コンテクストの不確かさが妙に心地よい映画だ。逆に、些細なことに意味があるような映画からはリアリティを感じない。
現実の変な男とはこの主人公のような男で、害悪であると同時に、だれよりも正義の味方であるような男だ。
ぼくは彼に出会いたくないが、こんな男に出会わない人生なんて、ろくな人生じゃないだろう。
パンチドランク・ラブというタイトルから、なんとなく「たこ八郎」のイメージが浮かんだ。
たこ八郎がこんな男だっただろうとは思わないが、「出会いたくないが、彼に出会わない人生なんて、ろくな人生じゃないだろう」という意味では、同じような男だったのではないか、と想像する。
秀逸なタイトルである。