gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

効率を追求しないこと

会社からの留学先で、建築を学んでいた頃、設計の作品に学生独特のある種のパワーがあることに気づいた。そして、世の中でつくられている空間にはそのパワーが欠けていることを知った。私は、学生のようにものをつくり続けたい、と強く思いながら、社会人生活を再開した。その思いは、もちろん独立後も続いている。

そのパワーとは、効率を追求しないところから来るパワーである。いいものをつくるためには、生活も顧みない強い気持ちである。仕事を「こなす」という言葉を使い始める頃には、もうそのパワーは微塵もなく消え去っているに違いない。

6月12日で、会社は12年目に突入した。それなりに効率化が進まなければここまで生き残ってこれなかっただろう。同時に、効率を追求しない、という「つくることの核」の部分が守られてきたからこそ、スタッフ全員が誇りを持ち続けているのではないか、と思う。これからさらにそのパワーを高めていくためには、何を効率化し、何を効率化しないか、が重要である。

無名の7人が、本人たちが最高と思うものを一生つくり続けることができるよう、今後もそれをいちばん大事にしていく。