屋根の上で昼寝をしたい。ただ、ぼーっと景色を見ていたい。
その爽快さは、屋根が上るためにつくられたものではないところから来ることを知っていた。誰にも知られないように、こっそりと上る。少しだけ危険を冒して高いところへ行くと、なんだか空へ近づいたことを実感できるのだ。
だから、屋上ではだめなのだ。
写真は16年前、「車いす生活の人のための家」というプロジェクトで提案した家だ。車いすで屋根に上れること以外は、なんてことのない家である。
車いすで上れる、ということ自体、発見されなければならない。ある日、それを発見して、こっそりと挑戦してほしい。
上って、そこから見える景色をどんな気持ちで眺めるのだろう。それを想像するだけで、私はとても幸せな気持ちになる。