植物は太陽に引っ張られるように、まっすぐに伸びていこうとする。ところが、鉢の外へ出たくらいから、下から重力が引っ張り始める。植物はびっくりして、先っぽだけは太陽を見上げる。
そんな太陽と重力の綱引きが数週間に亘って続いた結果、こんなにもダイナミックなかたちのトマトの木になった。トマトの太陽へ向かう意志とでも呼びたいような生命力には感動させられる。
考えてみれば、ほとんどすべての植物が、太陽と重力の綱引きにしたがってかたちを決定されていく。
天へ向かってまっすぐに伸びていく「ジャックと豆の木」のイメージは、重力から解放されたすがすがしいイメージを子供の心に強く焼き付けてきただろう。
未だに私は、天に向かって伸びる太い豆の木に心地よくしがみついている夢を見る。