gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

ほっとする

アメリカ・サンパウロ近郊のソーク研究所。ルイ・カーン設計。

このような空間にいると、私はフーッと溜息をつく。

左右対称の中心がスコーンと抜けている。その先は、真っ赤に染まった太平洋。中央の水路を海へ向かって、ゆったりと光を反射しながら流れる水。建物のシルエットはシンプルと複雑の間の気持ちよいところにおさまっている。

この風景を見て、フーッと溜息をつかないでいろ、という方が難しい。いろんなことを忘れて、ほっとする。そして、深呼吸をする。

一日に一度、夕暮れ時にこのような場所を訪れることができたら、幸せだろう。

そう、特別な空間というわけでもないのだ。日常に入れ込みたい空間なのだから。それこそがこの空間の、そしてルイ・カーンのニクイところである。