gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

自分の能力を過大評価すること

ずいぶん前の話になるが、4回フルマラソンを走ったことがある。

市民マラソンなので、スタートは何千人が一斉に走り始めることは不可能である。パーン、と号砲が鳴ってから、10分くらい動けなかったこともある。正直、いらいらする。

周りから「これで俺の世界新記録はなくなったな」という声が聞こえる。誰かが笑った。しかし、自分はこう思う。「同じことを考えている奴がいるなあ。」半分は冗談だが、半分は真剣である。そうつぶやいた彼もそんな気持ちだろう。

スタート地点では、いつもひょっとしたら自分が一番速いのではないか、と思っている。そうでなければ、わざわざフルマラソンなんて走るか!

で、走り始めたら、すぐに厳しい現実に直面する。足はスタート地点で描いた通りには動かない。80歳くらいのおばあさんとデッドヒートを演じて制限時間(5時間)ぎりぎりでゴールしたこともある。

それでも、未だにいろんなことに挑戦したいという気持ちが湧いてくるのは、自分が一番なのではないか、という傍から見ればばかばかしいくらいの根拠のない自信がいろんなことに対してあるからである。

自分の能力を過大評価することは、美徳だと信じている。