東京には子供が少ないと思っていた。
数年前まで、めったに子供の存在を感じることがなかった。都会で仕事をしていると、世界に子供はいないかのようだった。
自営業をやっている職人さんの自宅に電話をしたら、4〜5歳くらいの子供さんが出たことがある。相手は子供だとわかっていながら、言葉がコントロールできない。
「お世話になっております。○○さまはいらっしゃいますか。・・・」
もちろん、相手はポカーンとしている。
妻が妊娠をした。世の中に妊婦が増えているのか、と思うくらいに妊婦が目に入ってくるようになった。私の世界に初めて妊婦が登場したのである。
そして、陽向が生まれた。東京にも子供はたくさんいる。私の世界に初めて子供が登場したのだ。