gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

利休の茶室

あるプロジェクトの計画で、利休の茶室について調べている。

以前本を読んだときもそう思ったが、利休の茶室には凄味がある。それは、戦国の時代に、武将同士が一対一で向かい合う場であったからだ。茶室の外には刀掛があり、どんな者でも丸腰で茶室に入る。そもそも相当な覚悟がなければそこにいることすらできないのだ。茶室とは、人格対人格の勝負の場ではなかっただろうか。

その後、世の中が安定するにつれ、茶室は装飾の要素を増し、遊びの場へと存在の意味を移していく。それはもう全く別の空間だ、と思う。

茶道について門外漢でありながら失礼な話だが、本来的な意味での茶室は、利休の時代で終わってしまったのではないのか。利休に訊ねたら、そうだ、と答えるような気がする。

ちなみに、グリッドフレームの最初の空間は、茶室としてつくった。心に利休の茶室の像を描きながらつくったものである。

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