グリッドフレームの空間制作の特徴は「つくりながら考える」というプロセスにある。
通常の店舗空間をつくる会社は、設計時に全てを決めてしまい、設計図通りに職人がつくっていく。だから、見積書に、材料単価と㎡数、人工などが明記されている。クライアントはつくる前に会社に対する信頼がなくても、設計図と見積書によってできあがりは保証される、と考える。だから、相見積で、複数の会社に見積をとる、というシステムが成立する。
しかし、グリッドフレームは「つくりながら考える」集団だから、つくる途中で制作方法や材料を変更することがある。
だから、最初からクライアントの私たちに対する信頼を必要とする。設計図は変更を前提とするし、見積書に詳細を記すことができないからである。
だから、見積書は全体の大枠を決めるために出す。その金額を超えないようにつくる、という目安の金額である。
その方が、よりよい空間ができる、と信じるからである。