gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

アーティスト

スガシカオ 黄金の月 アコースティックライブ

http://www.youtube.com/watch?v=QfgfEHrZTqIスガシカオの少年のようなしゃがれ声は、とても内省的に響く。一人称を「ぼく」と呼ぶのに、とても効果的だ。そのような声で、「闇を背負ってしまった。」などと過去形で言われると、もう決して戻ることができな…

フォンタナ

キャンバスをナイフで切り裂くだけ。フォンタナは、それだけで空間を変えられることを発見したのだ。一つの工程で、瞬時に空間が変わる。そんなものを見つけたい。 ← グリッドフレームのHPはこちらです ← ランキングに参加しています クリックありがとうござ…

千田泰広

「作品の完成度を問題にする人がいる。それは完成度というものは誰にでも容易に批判できる基準だからだ。」http://adich.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-d657.htmlすばらしい文章である。グリッドフレームも「完成度」を笑い飛ばしたい気持ちは同じだ…

自然の美しさについて

海野次郎さんは、奥多摩に暮らしている。海野さんは、奥多摩の自然を描く。だが、自然は美しいというより、いまわしく恐しいものだ、と語る。自然の中で暮らす、とはこういうことだ。自然は風景として眺めていればよいものではない。自然とは闘う相手なのだ…

関園子さんとの対話

青山の2104というギャラリーで個展を開かれている関園子さんを訪ねた。関さんについては、先日もここに書かせていただいた。http://d.hatena.ne.jp/yogosiurubi/20110130/1296398236関さんは、ご本人いわく「いちばん安いバカチョンカメラ」をポケットに…

白い一日

小椋佳作詞、井上陽水作曲で、双方がそれぞれで歌っている。興味深いのは、小椋佳は 「ありふれた幸せに 落ち込めればいいのだけれど」 と歌っているのに対し、 井上陽水は 「ありふれた幸せに 持ち込めればいいのだけれど」 と歌っていることだ。小椋佳は受…

写真家 今岡昌子

今岡昌子 写真集「ガレキの隣のオンナたち」より今岡昌子さんは、大手会社でのOL生活の後に写真家となって、紛争地をはじめ、危険を省みずに世界各地で、独特のセンスでシャッターを押し続けてきた稀有な女性だと認識している。もう10年近くも前に、写真…

GFアーティストたち

墨田工場を拠点に働くGFアーティストは、4人いる。当然のことながら、それぞれが特徴を持っているから、担当によって違うものができあがる。それこそが、グリッドフレームの魅力である。それぞれが、取り替えのきかない存在として仕事をする。それが、い…

古明地洋哉 untitled#1

http://www.youtube.com/watch?v=n5PV5g69UfgEliott Smithを悼んでつくられた曲だそうだ。「ねぇ エリオット 君がいなくても世界は廻る ねぇ エリオット こんなにも悲しいことはないよ」大切な人を失った悲しみをこのように表す古明地洋哉の言葉に衝撃を受け…

海野次郎さんの展示空間をつくる 1

>わたしの作品は大きく分けて、1.山水 2.裸婦 3.花鳥 から成っています。 >今回もこのシリーズで行くつもりです。展示の空間を考えるにあたって、それぞれの絵画がその周囲に何を求めるか、を問いかけることが重要なのかな、と思います。画面の中の「間」を感…

海野次郎さんと奥多摩

正月に水墨画家の海野さんのお宅を訪ねたことは前に書いた。海野さん宅には一昨年に一度、作品を拝見しに訪れている。意図的というわけでもないが、住所も電話番号も持たずに車を走らせた。一昨年の記憶が頼りだ。憶えているのは、赤い橋のたもとの坂道を上…

関 園子さん

GF青山オフィスの近くにはギャラリーが多い。歩いて30秒のところに、ギャラリー2104はある。そこで冬になると必ず写真展を開かれる関園子さんという私の母くらいの年齢の女性がいて、私は毎年それを楽しみにしている。いつもお出かけになるときは、…

海野次郎 2

6月に東京で個展をされる予定の海野次郎さんから、空間づくりのご相談をいただいて、奥多摩のお宅を訪ねた。海野さんは、既成の画廊に絵を並べることに違和感がある、といわれる。それは傍から見ていても、感じているアートの世界の不可解なところであった…

アーティストのアトリエ

20世紀の巨匠と呼ばれるアーティストのアトリエを撮った写真集がある。よく整理された部屋もあるし、多少散らかった印象の部屋もある。この本には出ていないが、画家フランシス・ベーコンの部屋は床に絵具など様々なものが積み重なるくらいに、足の踏み場…

ふきのとう 赤い傘

赤い蛇の目の 傘をさして それはまるで絵のように あの人が 私を振り向く (赤い傘)京都の大学に通っていた頃、この歌のような美しい風景を見たくて祇園の町を歩いたことがある。(もちろん、そんなに都合よくはいかない)ふきのとうの歌詞は、曲の始まりが…

田中一村

学生の頃に、この人の映画を撮りたい、という映画監督から画集を見せてもらった。生きているときには認められず、死後、評価された画家、田中一村。不遇の人生の後半を、単身、奄美大島で過ごし、その自然を描いた。「描いていると、自然が語りかけてくるよ…

建築家ユニット IKMO

建築家ユニットIKMOのお二人とは、モノビットという大田区の幻のアートグッズ・セレクトショップで知り合った。もう7、8年前のことである。モノビットのオーナー久保田さんは、東京ビッグサイトで行われるデザインフェスタで、気に入った作品を探し、…

川津誠司

昨年3月に舌癌で亡くなったロックシンガー川津誠司を紹介した番組をyoutubeで観た。 川の流れにのり どこまでも 浮いてはまた沈み まだ見ぬ海へ いつか流れ着ける そんな夢を見てるのさ 今でも (「川 〜river〜」) いいうたである。なによりも、真っ直ぐ…

エミリオ・アンバース

建築に興味を持ち始めた頃に、エミリオ・アンバースを知った。地面と建物が、連続かつ微分可能なラインによってつながれている、という在り方に夢を感じた。自分とは関係の薄い建物で世の中は溢れている。自分の居場所は、どこにいても実はとても少ないので…

アンゼルム・キーファー

キーファーの作品には、砂・藁・鉛などの損傷しやすい材料が多用されている。その思い切りのよさが第一印象だ。まるで泥遊びをする子供のような・・・、いや、紛れもなく、大人の泥遊びの作品とも言える。美術館は、その保存に四苦八苦するだろうが、アートとは…

リチャード・セラ

リチャード・セラの作品と言えば、地面から刃物が隆起したような分厚い鉄板を思い浮かべる。分厚い鉄板のかたちは単なる直線か、単なる円弧に過ぎない。まさに素材のままである。素材が、ぶっきらぼうに自然の中に現れる。もしくは、都会のストリートに現れ…

あるアーティストからのメール

その方は、ロダンの老婆の彫刻について次のように書いてきた。「僕は造る側の人として老いた人間を愛しむ感情からではなく、 この量感の確かさ、力強さに感動します。」その文章から、その方が「自分の感じるものの確かさだけを手がかりに動く人」であること…

清怨夜曲/あがた森魚

http://www.youtube.com/watch?v=ETclb-1_wJk&feature=related10年ぶりくらいにあがた森魚を聴いてみた。80年代、大学の頃に通っていたバーでよくかかっていたアルバム『噫無情』が心のどこかに残っていて、社会人になってからアルバムを集めてみた。高…

ジャズシンガー 石野見幸

人は何か気になることができるとバランスを失い、自分の全体性を見失ってしまう。自分と戦うということは、この全体性を取り戻そうとする努力のことをいうだろう。2007年11月8日、永眠。その7月に、末期がんの状態でブルーノートのステージに立った…

◎ターシ 沖縄の花

友人からのありがたい誘いで、小岩の沖縄料理屋で初めて沖縄の歌手、◎ターシ(ニジュウマルターシ)のライブを聴いてきた。先週1週間、沖縄からインターンの女の子Kちゃんがやってきた。人なつっこいKちゃんが纏う空気がとても新鮮で、スタッフ全員の心に…

海野次郎

奥多摩のご自宅で作品展示をされるというお知らせをいただいて、2年ぶりに海野さんの作品を拝見した。山水画。一気に描き上げるかにみえる作品が、実は1ヶ月半も、繰り返し一から描き直した結果の作品であると伺った。破たんするかしないかの境界線上に、…

リチャード・アベドン

リチャード・アベドンが撮るのは人物である。モデルや俳優を撮ったものも多い。彼がどんな人なのか、私が知っているのはそれくらいである。だから、15年前どうして彼の写真集を買ったのか、理由は覚えていない。ただ、自分の部屋で、彼の撮った一枚の写真…

小椋佳 渡良瀬を行けば

野を分けて風がゆくと ひとすじの河に似た跡 風を追い白々と続いているhttp://lyric.kget.jp/lyric/wt/ov/r/ 学生時代を終えて就職のために上京したとき、このような風景をどうしても見たくなって、自転車に乗って京都から中山道経由で東京に移動した。しか…

BABAリズム

昨日久しぶりの徹夜でyoutubeを聴きながら、提案の絵を描いていた。どうやら、ここ最近はギター1本の弾き語りから湧き起こるイメージの群れに共鳴するようで、そのような歌ばかり探していたら、BABAリズムさんの曲にたどり着いた。http://www.youtube.com/wa…

鬼束ちひろ

一昨年、youtubeを観るようになって、鬼束ちひろという人がどのような歌を、どのように歌うかを知った。いろんな動画を観て驚くのは、同じ人間とは思えないくらい、それぞれで彼女の姿が違って見えることだ。顔も別人のようだ。何かが乗り移ったかのように一…