昨年3月に舌癌で亡くなったロックシンガー川津誠司を紹介した番組をyoutubeで観た。
川の流れにのり どこまでも
浮いてはまた沈み まだ見ぬ海へ
いつか流れ着ける そんな夢を見てるのさ 今でも (「川 〜river〜」)
いいうたである。なによりも、真っ直ぐである。
真っ直ぐな視線のみがこのような言葉を捉えることができるのだろう。
死とはなにものでもなくなることではなく、すくなくともなんぴとかにとって、現実としてあったものが、実現と呼ばれるところのものになることだ(森敦『意味の変容』)
何かを貫いた果ての死の瞬間は、時間が想像を絶する吸収性を持って濃度を高めて、そこに次元を高めた再生をもたらす。おそらくは彼も想像だにしなかった大きな力を残された人々に与えたに違いない。