ローマ教皇ベネディクト16世が、高齢を理由に今月末に退位することになった。職務の遂行に支障が出てきたことが、退位の理由だそうだ。
教皇はこれまで終身制とされ、自発的退位は、史上初めてのことらしい。
そこで気になるのは、ローマ教皇とは職業なのか?ということだ。
例えば、現在、天皇が健康上の理由で自発的に退位する、ということはありえないのだろう。職務よりも存在そのものが重要な地位として捉えられているからである。
ローマ教皇も同様だと思う。だから、自発的退位は肩透かしを食らった感覚を禁じ得ない。教皇とは、そんなに軽いものなのか、と。
ある人たちにとって、天皇が崇められているように、教皇も崇められる存在である。そのような人たちは、今回の退位をどのように受け止めているのか、興味深い。
現在、そのような地位も、世界に数少なくなった。今後、全てが相対化されていき、崇められる存在が失われていくのだろうか?そして、そのこと自体、よいことなのか?悪いことなのか?