gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

かたち

「かたち(form)は機能にしたがう」という言葉はモダニズムの合言葉で、つまりは、必要のないかたちを空間に入れることを禁じる言葉である。

無駄をそぎ落とした、必要なものだけで成り立つ空間は美しい、という美的感覚をぼくたちは学校で徹底的に叩き込まれた。

だが、「その空間にとって機能とはなにか?」もしくは「その空間にとって必要とはなにか?」という問いに一般解はない。それぞれの設計者の視点で異なるために、解は無限に存在することができる。

満たされるべきことは、「かたちには理由がある」ということだ。

いかなる理由であろうと、設計者にとってなんらかの理由がある限り、他の多くの人から見て無意味なかたちも否定されるべきではない。

さらに言えば、恣意的であることに、むしろ積極的な意味を見い出す、ということもありうる。その場合は、恣意的につくられたかたちにも理由がある、ということになる。

そうなってくると、結局のところ、かたちの良悪の基準はつくり手側に属するものではなく、使い手側に属するとしかいいようがない。

どんなかたちであれ、いま存在するかたちはすべて、かたちを体験する者のものだ。

つくり手から自由になり、ただ感じればよい。

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