そもそもぼくは病的なくらいに負けず嫌いだ。
例えば、皇居の周りを走っていても、人に抜かれるととてもがっかりするし、追い抜くと有頂天になる。
だからこそ、自分の人生は、他人と比較できないところに設定したかった。
同じ土俵には乗らない。
だから、いわゆるコンペにも参加しない。
それに、作品性が問われるということは、閉じたものとして見る、ということで、ぼくらのように開いたものを目指す集団の目的と矛盾している。
本当によい店とは、永く続く店だ。
そして、永く続く店は開いた空間でなければならない。
そこに、他と競争する必要性はなにもない。