2012年。伊勢谷友介監督。
1990年。就職直前に自転車で旅に出た。という始まりは、ぼくそのものだったから、その頃の思い出とともに映画に入って行った。
アクシデントで立ち寄ることになった山のバーにいるお姉さんにどきどきしたり、などはなんだか懐かしさを感じたが、そんな親近感は殺人事件で唐突に消し去られた。
セイジという謎の人物は、殺人事件で親を殺され、自らも左腕を落とされた心神喪失状態の少女を再生させたが、その少女に現在の世界を象徴させることなしには、単にバラバラな映画にしかならない。
暗い過去や連続殺人事件。お決まりのそのような設定なしでも、セイジに自らの腕を斧で切り落とさせることはできたと思う。
設定が甘い。