別に殴る蹴るでボコボコにするという意味のボコボコではない。表面がボコボコしているものを指している。
ツルツルしている状態では2次元だったものが、ボコボコの度合いが増すにつれて3次元化してくる。
そうすると光を当てると影が出るようになり、暗闇を含むようになる。
暗闇はどのくらい深いのかわからない。
ローマの「真実の口」のように手を差し込んだら食べられてしまうかのような深淵がそこらじゅうで口を開けている。
ぼくはこんなボコボコがどこかにある空間を欲しいと思っている。
見えているものだけに囲まれた空間の方が、むしろ不自然で、怖い。
ぼくの知らない何かがそこにいるかもしれない。その方が、実は心は静かなのだ。