世界には祈ることを日常の中に取り入れている人たちがどれくらいいるだろうか。
仏壇があるわけでもない私の生活にとって、祈りは日常的なものではない。しかし、宗教とは関係なく、祈りは必要なのではないか、と感じている。
手を合わせても、合わせなくてもいい。ただ、天を仰ぐ。それは、天の方向に世界は開いているからだ。そして、祈る内容もまた、開かれている未来のことだ。
祈る間は目を閉じる。誰かの顔を思い浮かべたり、未来の絵を描いてみたりする。背筋を伸ばす。吸い込んだ空気が、まっすぐに腹まで下りて、体が新しい空気に満たされる。自分の源泉からエネルギーが湧いてくるのを感じる。一瞬、天とつながる。
そんな瞬間が、一日に一度、あったほうがいい。