空間をつくる仕事でコンペ形式をとるプロジェクトが減ってきている。
もうコンペというものが時代的に古くなってきているのだろう。
理不尽なものは消えていくしかない。
そもそもフェアなコンペなどほとんどない。憤りを感じること、虚しさを感じることはとても多い。
アイディアをタダで得ようとする行為を業界が認めていること自体がナンセンスだ。
もっと良くないのは、決裁者が合おうともしないで、あっさりと結果を示される場合だ。
ブラックボックスがある状態でコンペは成立しない。
それを最初に確認しても、担当者は「ぼくらが決めるので」と嘘を言って参加させようとする。
立場主義的な嘘なので、無意識的なのだろう。罪悪感もない。
だが、そうやって、この瞬間も世の中は壊れていっている。
コンペという形式には、世の中の問題が凝縮しているとさえ言える。
もうブラックボックスには二度と関わらない。