2016.3
美容室で髪を切っていただきながら、自分の顔を見ている。疲れた顔だ。最近の疲労と、風邪気味なのが重なって、目に力がない。こんな顔のオッサンに語られたら、ぼくは聞きたくないなあ・・・と若い美容師にずいぶん語らせていただいた後で反省する。語らせても…
1973年。オイルショックの年。この年を境にして、ぼくの中では歴史を新しいと古いに分けられている。全く個人的に、しかも無自覚的に定められた境界で、理由も上手く説明できない。ぼくの感覚的なものだといっていい。当時のぼくは、小学3年生。世の中…
トイレは世界中に散りばめられたプライベート空間だ、と言ってもいいだろう。そんな気持ちで、トイレの設計をするのは愉しい。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザイン:マテ…
有機体としての植物は、昼と夜で鮮やかなコントラストをなす。昼にやさしく微笑んでいるかのように咲く可憐な花々が、夜にはまさに人へ襲い掛からんとして、蠢く怪物へと変身する。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験し…
人を奮い立たせるものはなんだろう、と考えるときに、スポーツ観戦を思い浮かべる人は多いだろう。人ががんばっている姿を見ると、自分もがんばろうという気持ちになる、というのは、真理かもしれない。しかし、ぼくの場合は、マラソンのテレビを見ていると…
道を切り開く女性が 周囲を覚醒させる力があるのは きっと、そこに共存しがたい二つのものが 共存しているからだ 油まみれの工場で 純白のドレスで作業をする女性のように・・・ その女性は魔法を解くかのように 朽ちた古城を一瞬にして再生させることができ…
胸にざわめきを感じながら、よい仕事はできない。そんなときは、散歩に出かける。歩いていれば、いつのまにか、それはなくなっている。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザイ…
千葉市土気にあるイタリアンBauletto864でパーティ。バウレットとは宝箱という意味で、外から見た建物のかたちもそれを想起させる。東京を離れて、人が集うあたたかい光の中へ。夜空の星が思い浮かぶ。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレー…
世の中に花がなかったら、どんなに殺風景だろう。また桜の季節がやってきた。今年は、ぼくらも花になってみよう。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザイン:マテリアルス実験…
渋谷区宇田川町に、リストランテaが完成。 写真は、カウンター。コンクリートに浮かぶ流木。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザイン:マテリアルス実験工場← 未来の町並みを…
直線の束の一本一本を少しずつずらすことによって、曲線や曲面をつくるナウム・ガボの手法。空間づくりの中で、その可能性について考えるのは楽しい作業だ。草月流の竹によるオブジェにもつながっていく。しなやかな線、ゆらぎ、密度の差、動と静、気品・・…
菫程な小さき人に生れたし 数日前、facebookに友人から紹介されたこの句が好きで、調べてみると夏目漱石の句だと分かった。ものごとを本質的に考えた人が、小さいものを好ましく詠んだことをうれしく感じる。そういえば、陽向につくった花はスミレ色をしてい…
映画監督の書いた本を読んで、全人格を賭けて映画づくりに取り組んでいるのだ、ということが当たり前の前提としてあることに、なにか安堵のようなものを感じた。そして、ぼくが空間づくりに、同じような情熱で取り組んでいるだろうか、と考えた。答えは、イ…
早起きして、本を読んだりして過ごしていると、妻と陽向を起こすためのベルがけたたましく鳴り始めた。ほとんど非常ベルに近いような音なのだが、もう30分近くも妻と陽向は一向に動く気配がない。今日に始まったことではない。この人たちは、きっと大地震が…
書き留めることがなければ、失われていく言葉たち。何度も反芻しているうちに、少しずつ自分の中に融けこんでいく。葉が朽ちて、土の養分となっていくように。何度も何度も繰り返し、読む。または、そのまま書き出す。そして、融けこんでいるのを感じたら、…
出演を予定していた星野道夫の突然の死から始まった「地球交響曲第三番」の撮影の旅。龍村仁監督が『魂の旅』という本で書いているのが、表題の言葉だ。「壊れてよいものが壊れていく。壊れてはならないものは決して壊れない。」熊を愛した星野が、熊に襲われ…
2010年。高野孝子(環境教育活動家)、グレッグ・レモン(ツールドフランス覇者)、アンドリュー・ワイル(総合医療医学博士)を描く。ちょうど「探究Ⅱ」(柄谷行人)を読みながら、スピノザの神の観念について考えているときに、日本の縄文時代に生まれた「…
自分の生活に軸のようなものがあるのを感じる。それがぶれている、と感じるときは、落ち着かなくて、とても不快だ。軸とはなんであるか?見極める冷静さを必要としている。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつ…
上野動物園のゴリラは数頭いるが、オスとメスの体格はびっくりするほど違う。まあ、人間も檻に入れられれば、同じような印象を持たれるかも知れないけれど。ぼくは人間以外の動物に対して、ほとんど図鑑のイメージを投影しながら本物を見てしまうからかもし…
人生の大きな転換期には、不思議なことがたくさん起こる、という法則があるのだろうか?ぼくの経験を省みると、どうもそう思えてならない。グリッドフレームを立ち上げた18年前には、霊感の強い人に出会って、文字通り不思議なことが身の周りにたくさん起…
今日はいよいよ、陽向の保育園の卒園式。卒園式を楽しみに迎えた子もいるだろうし、緊張して迎えた子もいるだろう。実際、親たちがつくったスライドを見て、感極まって大泣きする子もいた。ところが陽向は・・・あくびをしている。陽向はまだ「特別な日」という…
観念とはユークリッド幾何学の「広がりのない点」のように、経験的に表象することができないけれども、心の中で思い浮かべることができるものだ、という。偶像崇拝の禁止とは、つまり、神を表象するイメージを媒介として持つことを禁止し、観念として捉える…
1979年。西ドイツ・ポーランド・フランス・ユーゴスラビア。性描写の多いこの映画を、ぼくは中学生のときに映画館で観たのを憶えている。なぜだろう?不思議な映画だ。3歳のときに自分で体の成長を止めることを選び、その関係か分からないが、悲鳴を上…
立川ハーフマラソン。1km4分台で走り続けることを課題として臨んだが、周りにつられて4分前半で走り始めてしまい、15kmから失速。それぐらい大丈夫だろうと思っても、体の反応は繊細だ。自己記録を5分縮めることだって結構、難しい。自分の実力に…
1人暮らしをしていた学生の頃、「こんな店があれば」と思っていたのは、スーパーの奥に買った野菜や肉を調理してくれるおばさんがいて、その場で食べられる、という店だ。安くすまそうと思えば500円以下でもいける。それなら、毎日でも通える。学生にとって…
ぼくの理解では、個人主義とは自分を突き詰めることによって、世界を知ることができる、と考えることを言うのだと思っている。だから、世間に起こることすべてを、自分に関連付けられる、と考えられる。それは、責任という概念にも影響する。自分自身を強く…
遅かれ早かれ、誰かが実現してくれるだろう、と確信できることを、自分が始めても仕方がない。それは、資本主義の罠にはまって、自分の心を貧しくするだけだ。そんなことより、じっくりと自分だからこそできることを探すことだと思う。先駆けるかどうかは、…
陽向が保育園の帰り道、ひなまつりのうたを大声で歌う。いまどき、あまりいないタイプの子供だ。友人から、「昭和の子みたい」と言われたことがあるが、まさにそんな感じで育っている。テレビを見せていないことが影響しているのだろうか。情報社会以前の子…
地球の温暖化を食い止めることが全人類の課題だ、という認識が広がっている。権力側も市民側も、地球の問題となれば利害は一致している。全ての基盤が崩れようとしている問題に、反対する人間がいようはずがない。だから、この問題に関しては、国レベルの取…