gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

2017.5

視力

陽向の視力が両眼0.3という検査結果を見て、妻が慌てて視力回復のためにできることを始めた。実際計ってみるとそこまで悪くなかったが、よくない。それが、1週間程度で、両眼で1.2まで回復して、ホッ。一番効果があったかと思われるのは、寝るときに熱いタオ…

美しい音楽

映画のエンディングに美しいソプラノの声が流れる。このような音楽に値するような「今」の時間はあるのだろうか、とふと自分の生活に目をやる。その映画が救いようのない悲惨を描いたとしても、その背後にある心の美しさの深さにより、音楽の美しさはピタリ…

他人の本質

ぼくが本質に近づいていると感じるときは、ぼくの行為が他人の本質に触れた、と感じたときだ。だから、他人がいなければ、ぼくの本質はない。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗…

探求と表現

プロジェクトの提案準備は、愉しく苦しい。自分自身の主題の追求は、社会への投げかけでもあり、深くどんどん掘り下げていく作業だ。それと同時に、クライアントに理解していただけるような表現についても考えていかなければならない。掘り下げて見つけ出さ…

映画 河童のクゥと夏休み

2007年。日本。陽向と一緒に、昨年夏に観たDVDを、もう一度観た。河童、座敷童、キジムナー、・・・。妖怪は、科学的には証明できないだろうが、個人個人の中で実在するものかもしれない。ぼく自身の中では、実在している。実在といっていいのか・・…

捨て猫

乃木公園には、猫小屋があって、一匹の猫が住んでいる。そして、その猫に餌をやる男性がいる。彼が猫とゆったり過ごすのをしばしば見かける。去年までは、二匹の猫がいた。そのうちの一匹が、病気で死んでしまったそうだ。彼は、急に食べることができなくな…

重力に抗う

こと動くことに関しては、理想は重力を打ち消してしまうことだろう。つまり、浮遊する、ということ。滑るように動く。リニアモーターカーのように。体が軽くなるような空間。つくってみたい。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラ…

茶室

元々、戦国時代に発展した茶室は、狭い部屋の中に丸腰で武将同士が茶の振る舞いによって人格を表す場であった。現代にそれをつくるときに、最も重要なのは、外と内の境界に緊張感が漂うことだろう。例えば、障子のように、紙一枚で内と外が隔てられる緊張感…

にじむ

にじむ街の灯を ふたり見ていたという歌があった。視界がにじむ、とは心の揺れを表す。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザイン:マテリアルス実験工場

観光地

「観光地になるようなファサードをつくってほしい」分かりやすい要望だ。ぼくだったら、何を見に行きたいか?そう自問すればいい。その土地にある特性を踏まえながら、それを象徴しつつ、一方でそこに漂う空気からどこか遠い世界への通気口となるようなスポ…

構想段階

答えが最初から用意されていないプロジェクトは、予感があるだけだ。これをすべての人が満足のいくかたちまで持っていけるかどうか、それが実力だ。試行錯誤の毎日が始まる。生きている、と実感できるのは、こんなときだ。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイ…

帝国ホテル

フランクロイドライトは、日本に6年もいて、この帝国ホテルをつくっていたのだ、ということを初めて知った。いや、覚えていたことを忘れてしまっていたのかもしれない。彼が日本の文化に魅せられていたことは、アメリカで彼の建築を訪れたときに実感してい…

プロジェクター

またプロジェクターで映画を見始めた。以前は、妻と二人で見ていたが、今度は陽向も加わって、3人で見ている。パソコンのモニターとは、少し違って見える。映画に一歩深く入り込むことができるようだ。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレー…

回り道をする人

ぼくが安心して一緒に歩ける人は、目的に向かって最短距離を取る人ではなく、回り道をする人かもしれない。回り道を選んでいるわけではなくとも、結果として回り道をしている、というのが正しいかもしれない。必ずしも意志とは関係がない。豊かな時間とは、…

若さ

若いですね、といわれることが多くなった。つまり、実年齢は結構いっちゃってる、ということだ。そういう自覚は必要ないだろう。毎日、生きているだけだ。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素…

社会保険

健康保険も厚生年金もあまり必要と感じていないのに、会社経営を必ず圧迫する社会保険制度は見直されていくべきものだと思う。保険料が高すぎるのが問題だ。健康保険については、医者へかかるときの自己負担率を上げればよい。そして、民間の保険で、よく医…

日本の未来

「日本をどうするか」と、大学の研究室の教授がよく言っていた。顔が笑っていたから、半ば冗談だと思っていたけれど、本当のところはわからない。もうぼくは、そのときの教授の歳をとっくに超えてしまっている。社会をどうするか?そんな思いは、年々強くな…

あくび

柳田国男の娘は、父親があくびをしているのを見たことがないという。明治生まれの人には、社会を背負って立つ、という使命感が体に沁みついていたのかもしれない。男としてそれをうらやましく思う。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ←…

映画 ガスパールとロバンソン

1990年。フランス。トニー・ガトリフ監督。南仏の海辺に、捨てられた者たちが集まって生きる。ブレーメンの音楽隊も、捨てられた動物たちが集まって旅に出る物語だったが、「捨てられる」ことのアドバンテージはあるのか?持たないことの強さはもちろん…

散らかり放題の部屋

画家のフランシス・ベーコンのアトリエの写真が、散らかり放題だったことを憶えている。「混沌はぼくにイメージを喚起してくれる」と彼自身が語っていたようで、ぼくも文字通りに受け取っていたけれど、今思うと、きっと特に意図的に散らかしたままにしてい…

balmy cafe

千駄ヶ谷にハンガーのChanaCompanyによるBalmy Cafeがオープンした。秩序と無秩序のレイヤーをつくるというグリッドフレームの空間の基本がここでも生きている。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジ…

ミミズ

陽向との帰り道で、細い道の真ん中にミミズがいた。このままでは、車に魅かれてしまうから、ジャンケンで負けたほうがミミズをどかしてやることに。陽向が負けたが、ミミズを触ろうとして、ギリギリで覚悟が決まらない。そのうちに車が近づいてきたから、陽…

浮浪者

ぼくらの生活には、物理的には見えていても、心理的に見えていないものがたくさんある。きっと多くの人々にとって、浮浪者の方々も、そのひとつだ。その浮浪者の方々の輪の中へ入り込んで、酒を酌み交わし、ポートレイトを撮らせてもらい、それをもとにおこ…

ミクロからマクロまで

メートル単位で、10のマイナス35乗から10の27乗までの世界をスクロールで移動できるページがある。http://www.onemorelevel.com/game/scale_of_the_universe_2012ぼくらが日頃肉眼で認識するのは、10のマイナス3乗から10の5乗くらいで、その先…

波打ち際の造形

陽向とつくった高さ50センチくらいの富士山を波が崩していく。波が洗うと、ぼこぼこした質感は、滑らかで流麗な曲面に変化して、波の帰る方向へかすかな隆起が長く続き、だんだんと平らになる。これに夕方の傾いた太陽が影による濃淡をつくって美しい。1…

山人

山に住む人、というイメージは、まだぼくが子供の頃にはあった、と思う。定住することなく、町の社会とは隔絶した生活は、縄文人の生活そのものだったのか。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル…

映画 ダリオ・アルジェントのドラキュラ

ダリオ・アルジェントのドラキュラ。2012年。Huluで視聴。ドラキュラ伯爵は城下の町と守護の契約を交わし、ときおり森の獣に姿を変えて、町の人を襲ってその生き血を吸って生きながらえていた。ある日、生きていた遠い昔に失った最愛の妻と同じ容姿をもったミ…

土にまみれる

代々木公園で、家族3人でサッカーボールを蹴る。陽向は、スライディングしたり、土の上で横たわったり、帰るころには黄緑の服はほとんど茶色に変わっていた。意外にも土にまみれることを愉しむ陽向を頼もしく思った。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:…

恐れ

恐れの感情をなくすことができたら、ぼくらはどんなふうに変わるのだろう。痛みが肉体の破壊を抑止する働きを持つように、恐れもそれ以上踏み込んではならない冒険の限界を示すものとして機能するだろう。それをなくしたら、もはや死が目の前にある、という…

スローモーション

ぼくの時間が突然スローモーションになったのは、人生で2回あったように思う。それは、2回とも同じ状況のときに起こった。雪道で車を運転して、突然滑り始めて、蛇行しているときだ。1回目は、学生の頃、京都の北山の山道を走っていた。助手席には、同じ…