恐れの感情をなくすことができたら、ぼくらはどんなふうに変わるのだろう。
痛みが肉体の破壊を抑止する働きを持つように、恐れもそれ以上踏み込んではならない冒険の限界を示すものとして機能するだろう。
それをなくしたら、もはや死が目の前にある、ということかもしれない。
逆に、死に近い状況では、本人の意志とは関係なく、本能が恐れを消して、本人に与えられた能力の限界に迫る、研ぎ澄まされた判断力を行使するように命じられる、という経験をした人も多いと聞く。
恐れをコントロールすることはできないのか?
それは、どのような人生を生きるか、という選択によって、可能なのかもしれない。