gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

スローモーション

ぼくの時間が突然スローモーションになったのは、人生で2回あったように思う。

それは、2回とも同じ状況のときに起こった。

雪道で車を運転して、突然滑り始めて、蛇行しているときだ。

1回目は、学生の頃、京都の北山の山道を走っていた。助手席には、同じアパートの友人M君が乗っていた。彼は、滑っている間、大声で笑い続けていた。

2回目は、ニューヨーク州バッファローの隣町ロチェスターで。一人で製本工場に論文を持ち込むために走っているとき。

どちらも対向車はなくケガ一つしなかったが、慌ててブレーキでも踏んでしまっていたら、どうなっていたか分からない。

なぜか怖いという感情はなかった。ただ、へまをすれば死ぬ、という認識はあった。

そのような状況で、なぜか1秒が3秒くらいに感じられたのだ。

あれは何だったのだろう。

ぼくは、あれを思い出すと、なにか励まされるような気持ちになる。

まだ、こちら側へは来るな、という誰かの声が聞こえてくるようだ。


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