当社の社名「グリッドフレーム」は、私が考案した、格子状骨組(グリッドフレーム)2枚で、間にスクラップなどの「なったもの」をはさみ込んで壁を成立させるシステムパーツの名称であり、そのままでは往々にして無秩序性が強すぎて、多くの人が怖いと遠ざけてしまう「なったもの」を、システムパーツがフレーミングする効果によってやわらげ、それらの外部性と人が直接向き合えるための「つくられたもの」として開発された。
もちろん、「なったもの」以外のものと組み合わせることも可能なので、素人でも工夫次第で多様な空間をネジを回すだけでセルフビルドできる、汎用性のあるシステムパーツとして開発した。
会社の設立当時は、システムパーツを東急ハンズなどでDIYのために販売することを試みたが、つくれるモノのサンプルとしてテーブルなどをつくると、パーツよりもサンプルを買いたいという人がほとんどだったので断念。アパレル店などからアパレル什器や衝立・テーブルなどの注文を受けて当社でシステムパーツでデザインしたモノを作成した。
その後、少しずつ店全体をつくってほしいという要望が出てくると、DIYを前提としたシステムパーツでは対応できない部分が多くなり、美大卒のアーティストたちをスタッフに迎え、墨田区に工場を借りて、金属加工を中心として木・コンクリート・皮革・ガラスなどさまざまな素材を使って店舗やオフィスなどの空間を制作する会社として地盤を固めていくことになった。