gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

GF1 途上国で知った「自由」

株式会社グリッドフレームはどこから来て、今どこにいて、これからどこへ行こうとしているのか?改めて、まとめる機会があったため、ここに数回、連載しようと思う。

 

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1985年はプラザ合意の年で、ここから円高はどんどん進んでいった。当時、大学生だった当社の代表取締役である私、田中稔郎は、休みに入ると決まって海外へ旅立った。そのころの私は、土木技術者になって、途上国でダムや橋をつくることを夢見ていたから、きっかけは、そのような国で暮らすことができるか、の事前調査のつもりだった。だが、最初に訪れたアフリカで、そのような心配は吹き飛んだ。

 

アフリカの田舎町へ行けば、日本人を見たことがない人がほとんどだった。私は彼らにとって完全にstrangerであり、次にどんな行動をとるか、全く予測できない存在だった。そのような状況下で、私がどのような振る舞いをしたとしても、単にそれが私だ。「自由」とはこれだ、と思った。

 

日本ではどちらかといえば引っ込み思案だった私は、生まれ変わったかのように積極的な人間になっていた。私は、自分の中に、そのような自分がいることをそれまで知らなかった。

 

日本へ帰れば、また元の引っ込み思案の自分に戻っていた。このときから「自由になれる」とはどういうことか、について考え始めた。