手づかみで食べる、ということに妻は昔から興味を持っていた。
食べるという原始的な欲求に、原始的な所作で対応することを許す場があれば、そこに遺伝子レベルで忘れていた感覚が取り戻されるのではないか。
妻の誕生日に、原宿のCATCH THE CAJUN SEAFOODへ。カニやロブスターを手づかみで食べるのは、結構な重労働だった。2時間ほどの食事で手が疲れた。また、殻の突起でけがをしないように割るのも気を遣った。
楽ではない、ということが経験を濃くしてくれる。
陽向も自分で割りながら食べることを愉しんでいた。