時の記憶を刻み込んだ素材を集め、保管する場所を探し始めた。
いよいよプロジェクトの始まりだ。
ぼくは、素材を探して、その歴史を調べ、書き記すことに力を入れる。視覚的イメージだけに寄らず、まるで本を書くように、空間をつくっていく。
本は、開くことによって、初めて人に関係することができる。視覚的イメージだけに関係したいときは、本を開かなければいいのだ。
書き記されることなく口述で伝承されてきた民話を、文字に残す仕事のように。ぼくは、時を記憶した素材について、分かる限りの史実を記して、伝えていこう。