gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

大衆酒場

古くから親しまれてきた大衆酒場のよさを超えるような大衆酒場を新しいプロジェクトで体現することは簡単ではない。

 

まず、そのよさは、いわゆる”素敵な”内装空間によって達成されるものではない。長い間そこに蓄積した時間が、その場を特別なものにしている。長い時間によって完成したそこにいる人と空間が一体化した姿がその場のよさかもしれない。

 

だから、大事なものは、空間というより、時間である。やすらぎ、緊張、ルール、その他など店が持つ「人格」全体が重みを持って体験される時間だ。

 

それが、客を十分以上に満足させる。客はこの店に来ることができる幸せをかみしめる。

 

だが、「ただの大衆酒場です」と、店の方はいたって謙虚だ。

 

もちろん酒場だけではない。そんな店たちにぼくらは育てられてきた。

 

今後は、どのようにしてそんな店を新しくつくれるか、に挑戦していきたい。