gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

床に刻まれた時間

表参道のグリッドフレーム本社には10年以上経ったフローリングがある。

 

ぼくらの前の前に入ったリラクゼーションのテナントが残していったフローリングだ。当時の写真ではフローリングは茶色だが、その後、白く塗られ、さらに、設計事務所が入って、その上にカーペットを貼り、出ていくときにそれを剥がして糊が残った状態でぼくたちに引き渡された。

 

ぼくらはそれをそのまま6年に亘って使っているが、これまでの時間が刻まれた床の表情をとても気に入っているし、訪れた誰もがそれを好きだと言ってくださる。

 

ぼくらが空間に求めているSOTOCHIKUの素材の代表例でもある。

 

そして、錦糸町にあるグリッドフレームの工場には、床に鉄板が敷いてあるが、制作作業の溶接の火花が飛び散り、ペンキが飛び散った痕が、これまでの時間を刻んでいる。

 

これもまた、SOTOCHIKUの素材の代表例の一つで、今まで複数のプロジェクトに使用している。(美容室RealClothes、Pizzeria da Marcoなど)

 

床に刻まれた時間は、静かにぼくらに語りかけてくれる。ぼくらはそれに耳を澄まして、忘れていた何かを取り戻す。