gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

日々の発見

はじまり

ゴールではない。スタート地点が見えてきた。スタート地点に立つために、費やしてきた長い道を歩いたのも、紛れもないぼくだ。ただ、「永訣の朝」のとし子のように、「うまれでくるたて こんどはこたにわりやのごとばかりで くるしまなあよにうまれてくる」…

光の差す部屋

ブラインドの端部から差す朝の光に、サルのぬいぐるみの目が生命を得る。目が覚めたぼくをじっと見つめて、「大丈夫?」と問う。ある時は、真顔で、ある時は、微笑んで。ぼくは、「ありがとう」と応えて、今日が始まる。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン…

死者と共に

生前よりも、亡くなってからより親しく感じられる、ということは多分珍しくない。8年程前に、親父を亡くしたときに、ぼくはそう感じた。向き合うということを、ぼくらは残念ながら生前にはなかなかしないうちに、時間が過ぎてしまうからだ。そのことは、悔…

家族

エースケさんが亡くなってすぐ、ご家族に呼んでいただいた。奥さんと娘さんとは、10年以上、離れ離れに暮らしていた。奥さんは、「結局、エースケさんは家族だったんだなあ」と言われた。命はすでに離れていたけれど、横にいたエースケさんは、きっと喜んで…

放任

放課後、陽向を柔道に行かせるようになってから、陽向は次々と周囲に迷惑をかけている。小3の子供を一人で電車に乗せて遠くまで通わせること自体、疑問視されるような意見ももらうようになった。特に、放任主義のつもりはない。彼なら、できるはずだ、と思…

ゆったりとした時間

ゆったりとした時間を過ごせることの幸せというものは確かにある。けれど、人の役に立っていると実感する幸せは、それをはるかに凌駕する。でも今日は、ゆったりとした時間。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながら…

消防検査

基準は、法律ともいえない。絶対に、けが人や死者を出さないという覚悟が強いる判断。それに文句は言えない。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザイン:マテリアルス実験工場

年月

とても長い年月を一つの商品をつくることに費やしてきた会社を知った。時代の変遷にどのように対応してきたのだろう、と考えると気が遠くなるようだ。今在ることが奇跡のように感じられる存在がきっと在って、それらはこの瞬間も歯を食いしばって立っている…

塩水

入浴用の塩が、陽向のアトピー性の皮膚にはよいようだ。入浴後は、すぐにぐっすりと眠っている。海染と呼んでいる、海の波の形を写し取った鉄板も、海の塩分のおかげだ。塩水の恩恵。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験…

浜辺に流れ着いた枝付きの長い竹を、陽向が砂に突き刺して立てようとする。それを友達の蓮君が抜いて、波に流そうとする。どちらにも強い意志があって、譲らない。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリ…

本番

あと少し

あと少しまで来たら、一気にゴールを目指してはいけない。一度立ち止まって、一定の距離を保ちながら横にも動きつつ、少しずつ近づいていく。 声を立ててはいけない。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオ…

抱き合うこと

抱き合うことは、相手の状態を直接感じることだ。 陽向は親に対して体を摺り寄せてくることが多い。隣で寝ていても、頭や足の先だけくっつけてきたり、などで安心するようだ。それはきっと、ぼくの安心感でもあって、よい眠りにつながっているのかもしれない…

かけっこ

まだ運動会のかけっこで一位になったことがない陽向に、今年こそは、と朝夕練習に付き合っている。youtubeでちょっと検索すれば、速く走りたい子供へのノウハウはたくさん出てくる。けれど、陽向については未だノウハウ以前で、「負けないように頑張って走る…

ウミガメ

砂浜を歩いていて、水際に小さなカメを見つけた。その砂浜は、ウミガメの産卵を(つづく)

still life

静物画のことをstill lifeという。「動かない実物」という意味で、特に深い意味はないのかもしれないが、何か気になる言葉でもある。 中学生の時に、油絵教室に通い始めた。当然のように、パンやリンゴや布や陶器をテーブルに並べて、静物画を描かされた。別…

空間把握

昨日、陽向の相撲大会を見に行って、取っ組合う力士たちを見ながら、土俵の上の空間把握力の高い者が勝つ、ということを思った。今話題の大リーガー、エンゼルスの大谷を評して、エンゼルスのGMが、「大谷は、広い部屋の家具の配置などを一瞥で把握して、…

遠さ

どこか知らないが、遠い場所。想いを馳せるのは、そんな場所だ。心地よさと、淋しさは、いつも一緒にいる。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザイン:マテリアルス実験工場

ウソ

約束を再三守らないことなどを、ぼくたち親から「ウソをついた」と叱られて、陽向が反省文を書いた。一時間ほど部屋にこもって、「読んで」と持ってきた文には、こう書いてあった。「ウソはことばを新しく作る。そのことはウソということです。ウソは頭で考…

貫くこと

つくることばかり考えている。他の問題は置き去りにしながら、つくることばかり。ぼくの本然はここにあって、全ての触角はそのための条件を感知するためにある。一貫して、その作業に集中する。それでいいんだ。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッ…

幸せな瞬間

一緒に歩く

連休だが、工場で作業があって、家族で錦糸町の工場へ。陽向も連れて行かざるを得なかったのだ。母親の財布から無断でお金を持ち出してジュースを何本も飲んでいた陽向を叱りながら帰ることになり、罰のつもりで、「家まで走って帰るぞ!」と陽向と二人で乃…

人間

分かっていても、コントロールできないのが、その人そのものの表れだ。今の陽向はそれを露呈している。毎日のように言い聞かせていることが、一つも守られることがない。親としては、頭の痛いところだが、陽向という人間を知る、大事な機会だ。 ← 創造性の連…

ひとりぼっちのダンゴムシ

「ダンゴムシがひとりぼっちだったから・・・」 陽向が講道館の入口で見つけたダンゴムシを、受付の人にビニール袋をもらって家に持って帰ってきた。「家で飼っていい?」そのことをすっかり忘れてしまっていて、ベッドに横になってずいぶん経ってから突然思…

時間を守る

時間を大切にすることは、心を大切にすることだ。今という時間が、絶えず自分の命を生み出し続けてくれていること。それを感じて生きることが、時間を大切にする、ということだ。そうすることで、人はやさしくなれる。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:…

心理

自分の自由に移動ができるようになった陽向は、好奇心のままに動いてしまうのか、なかなか約束した時間を守れない。たくさんの大人にご迷惑をかけてしまっている。「じゃあ、もう続けられないよ」と言うと、「いやだ」と返す。「なんで、そうなるの?」と聞…

失恋

失恋のうたにこの年になっても涙してしまうのは、そこに人間の誠実を見ることができるからだろう。余計なものをそぎ落とした後の、どうしようもなく存在する自分の哀しさに触れることが、どの年になっても必要なのだ。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:…

隙間

ぼくらは空間の中に、自分なりの隙間を見つける。そこからどんどん深く、広く世界を探求していく。入口としての隙間を持つ空間。そんな空間を、人は再度訪れたいと思う。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつく…

余分

空間の提案の中で、暗に、それは余計だといわれるような部分も多かった。それは、過不足のない状態に、コブのようにくっついている、と。まあ、そういう見方は間違ってはいない。けれど、その余計なものが、現在の調和に揺らぎを与えて、新しい調和に変換す…

逞しさ

子供が一人の時間を得るようになると、親の思う通りには動かなくなる。動かないのか、動けないのか、そこを見極めるのは大切だが、誰だって自分を見れば、その両方だ、ということを知っているだろう。縛りつけず、脱線させず。そのためには、マージンを与え…