連休だが、工場で作業があって、家族で錦糸町の工場へ。陽向も連れて行かざるを得なかったのだ。
母親の財布から無断でお金を持ち出してジュースを何本も飲んでいた陽向を叱りながら帰ることになり、罰のつもりで、「家まで走って帰るぞ!」と陽向と二人で乃木坂へ向かった。
10キロ以上あるから、陽向は途中で「もう歩けない」とか言うに違いない、と思ったのだ。
だが、陽向に、「遠足だぞ」と言うと、結構楽しそうについてくる。
4〜5キロ進んでも、相変わらず上機嫌だ。
どうやら、最近一人で乗ることになった地下鉄に沿って、地上を歩いてみたい、と思ったようで、元々モチベーションが高かったのだ。
錦糸町・菊川・緑・森下・清澄・箱崎・茅場町・日本橋・京橋・銀座・新橋
新橋でラーメンを食べることを目標に、ずんずん歩く。ときどき、走ったりもする。
虎ノ門・神谷町・六本木・乃木坂
最後は全速力で競争。同時にゴール。
「あ〜愉しかった」
14キロの行程を、小学校3年生で不平一つ言わずに、愉しく歩けたのは意外だった。
こんなに頼もしい奴だとは・・・。
やはり、モチベーション一つで人間はどちらにも転ぶ。