gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

2018.7

GRIDFRAME 21年目のこれから その3

2.目的 ①社会へのメリット 〜争いのない世界へ二つの世界は、それぞれが論理的に閉じているため、言葉の上では結合しづらい よって、どちらか一つの世界に偏った人同士では、言葉の通じ合わない両者が憎みあい、 争いあうという歴史が繰り返されてきたので…

GRIDFRAME 21年目のこれから その2

空間は、これら二つの世界を見えやすくする数少ないメディアのひとつだと思う よって、それぞれの世界認識を前提に空間をつくることを自分たちに課したい <とりかえ自由な世界認識でつくられる空間>・目的に合致したものだけで構成される(合目的性)・そ…

GRIDFRAME 21年目のこれから その1

かけがえのない人、かけがえのないもの、かけがえのない場所、かけがえのない時間、そして、かけがえのない自分はどこから来るのか? 1.言葉の定義 ぼくらは2つの世界を同時に生きていて、認識によってそれらを行ったり来たりしている <とりかえ自由な世…

二つの人格

とりかえのきかない、を唱えつつ、ぼくだって、コーヒーを飲むのに、チェーン店に行きたいときもある。 自分を埋没させたいくらいに、疲れているときだ。 でも、疲れているときだって、自分の人生の一部であることに変わりはない。 コカ・コーラが無性に飲み…

映画 忘れられた人々

1950年。メキシコ。メキシコの貧困の中で、正しく生きようとしながらも、生きることを許されない少年。スラム街の少年たちの荒んだ心。祈り。不確かな友情。ネガティブ。ポジティブ。その中間。スラム街にさえ、スラム街ゆえの美しいものがある。だれも…

第一歩

大きなことをいうつもりはない。ぼくが自分の人生の中でできることは、こうすればみんながよい方へ向かうのではないか、と提案することのみだ。ほんの小さな一歩でもいい。その方向を指し示すものを提示できれば、よい。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン…

共感を求めない

共感を求めないときの自分が、もっとも強い自分である瞬間だろう。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザイン:マテリアルス実験工場

生きる混沌 2

取り換え可能なものと、取り換え不可能なもの。いや、とりかえ自由な世界と、とりかえのきかない世界。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザイン:マテリアルス実験工場

海を写し取る

ぼくらが海染(うみぞめ)と呼んでいる素材のつくり方がある。 海へ行って、写真を撮ることに似ているが、カメラはいらない。 鉄の板を、ある日時、ある場所の一瞬の海につけると同時に引き上げて、波のカタチを写し取る。 錆としてカタチが浮かび上がるまで、…

生きる混沌 1

「一般性−特殊性」の回路はすなわち俗世であり、そこからかけがえのなさは出てこない。俗世は、取り換え可能な世界である。一方、「単独性−普遍性」の回路は、かけがえのなさ、実存を問題とする。つまり、それぞれを比較する、という視点がここにはない。あ…

プール

陽向とプールへ行く。 単にプールといえど、足が届かない深さであれば、陸に対する海と変わらない。その中は、別世界だ。 浮くことができるかどうか、がそこで過ごせるかどうかのカギだが、陽向はそのギリギリのところにいる。 浮き上がろうとすると焦って、…

どこかにある風景

メディアが発達したことで、直接見たことはないかもしれないが、写真や映像では見たことのある風景が溢れている。ぼくぐらいの歳になると、実際に見たか、見ていないかの境界も曖昧になっている。 写真を見て、「ここ、行ってみたいなあ」という気持ちが湧い…

すいか

陽向が学校の課題で俳句を書いた。 スイは赤 カはみどり色 種は黒 聞いた瞬間に頭が世界を一周した。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザイン:マテリアルス実験工場

はじまり

ゴールではない。スタート地点が見えてきた。スタート地点に立つために、費やしてきた長い道を歩いたのも、紛れもないぼくだ。ただ、「永訣の朝」のとし子のように、「うまれでくるたて こんどはこたにわりやのごとばかりで くるしまなあよにうまれてくる」…

光の差す部屋

ブラインドの端部から差す朝の光に、サルのぬいぐるみの目が生命を得る。目が覚めたぼくをじっと見つめて、「大丈夫?」と問う。ある時は、真顔で、ある時は、微笑んで。ぼくは、「ありがとう」と応えて、今日が始まる。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン…

柔らかな道

人の動きを感じ取り、 自分が動く まっすぐに伸びる刃物のように 心を研ぎ澄ませ、 少しの揺らぎも見逃さぬように そして、 変化を感じ取った瞬間に 体が如何様にも動くように 重心は低く、 軸はぶれず、 浮いているかのように移動する そのように在ることが…

死者と共に

生前よりも、亡くなってからより親しく感じられる、ということは多分珍しくない。8年程前に、親父を亡くしたときに、ぼくはそう感じた。向き合うということを、ぼくらは残念ながら生前にはなかなかしないうちに、時間が過ぎてしまうからだ。そのことは、悔…

エースケさんの訃報 2

最初にエースケさんを飛行機の中で見かけたのは、エースケさんの5列ぐらい後ろの席からだったと思います。エースケさんは、モジャモジャの髪にヒゲを生やして、まるでライオンみたいで、客席ではひときわ目立っていました。その人が、大声で隣の方に熱弁をふ…

エースケさんの訃報 1

みなさまにご報告しなければならないことがあります。杉山榮佑さんは、7月10日(火)朝10時ごろに、ご自宅で永眠されました。7月3日の演奏会から、わずか1週間で旅立たれるとは、信じられませんでした。私は、33年前にケニア・ナイロビ行きの飛行機で一緒に…

交換すること

何かを手に入れるために、お金で買う以外の方法をなかなか思いつかないけれど、SOTOCHIKU素材は「交換する」ことで手に入れられるはずだ。ぼくらは風化して古くなったものを素材として使いたいと思っているし、ほとんどの持ち主は風化して古くなったものを新…

家族

エースケさんが亡くなってすぐ、ご家族に呼んでいただいた。奥さんと娘さんとは、10年以上、離れ離れに暮らしていた。奥さんは、「結局、エースケさんは家族だったんだなあ」と言われた。命はすでに離れていたけれど、横にいたエースケさんは、きっと喜んで…

エースケさん

33年来の友人、エースケさんが亡くなった。享年72歳。北斎のように、80過ぎてもさらに細かい絵を描いていきたい、と言っていた。ゴールはなく、達成するすべてのことは、何かの始まりだ、という感覚を持っていたのだろう。ぼくもそのように生きている。 ← 創…

映画 FAKE

2016年。森 達也監督。ゴーストライター騒動の佐村河内守氏を追う。耳が聴こえない天才作曲家として脚光を浴びた後、ゴーストライターとして名乗り出た者によって、地に堕とされた彼は、本当に作曲家なのか?でも、はっきりすべきことは過去にはなくて、…

映画 A2

2001年。森 達也監督。ぼくは、1996年に4年間のアメリカ留学から日本へ帰ってきた。オウムの地下鉄サリン事件は、1995年3月。ぼくは、アメリカでその不気味な事件のことを聞いたが、どのような印象を持ったかもほとんど覚えていない。その2か…

放任

放課後、陽向を柔道に行かせるようになってから、陽向は次々と周囲に迷惑をかけている。小3の子供を一人で電車に乗せて遠くまで通わせること自体、疑問視されるような意見ももらうようになった。特に、放任主義のつもりはない。彼なら、できるはずだ、と思…

映画 A

1998年。森 達也監督。一月ほど前、リアルクローズの四元さんと飲みに行ったときに、「今これ読んでました」と文庫本を渡されたのが、「それでもドキュメンタリーは嘘をつく」という森監督の書いたものだった。いろいろと共感することがあって、では代表…

古物

家には、古いボディがある。洋裁に使うものだ。石膏に紙を貼って仕上げて、女性のかたちをしている。紙の黄ばみと、女性のスッキリとしたラインの対照がよいのだろう。生きている、と感じられる。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← …

海染の錆

波のカタチが刻印された海染鉄板の錆が止まっていないことが分かり、塗装のやり直しをすることにした。一瞬浸しただけなのに。海水の力は強力だ。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による…

優先順位

陽向がぼくらにウソをつくことが多くなった。それは、関係するものごとや人が増えた、ということが原因だろう。正直者がウソつきになったわけではなく、関係性の中に優先順位があって、ぼくらとの約束よりも順位が高いものがある、ということだ。それぞれの…

HIROMAS HOSTEL in Yokohama

撮影:ヒロマスお話をいただいてから、7か月。ようやくHIROMAS HOSTEL in Yokohamaが完工した。ここに泊まれてよかった、と思っていただけるような空間になっている、と信じる。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しなが…