gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

still life

静物画のことをstill lifeという。

「動かない実物」という意味で、特に深い意味はないのかもしれないが、何か気になる言葉でもある。




中学生の時に、油絵教室に通い始めた。

当然のように、パンやリンゴや布や陶器をテーブルに並べて、静物画を描かされた。

別にいやではなかったが、だからといってワクワクするものでもない。

練習なのだろうが、これである必要はまったく感じない。

モヤモヤしたものを感じたものだ。




展覧会で静物画を見ても、同じことを感じる。

何を思いながらこれを描いてるんだろう?

何も思わないならば、この絵に何の意味があるのだろう?




ただ、still lifeという英語が好きだ。

人が描く限り、たくさんの意味があることも、今では感じられる。




ぼくは、この年になって、だんだんと自分がやりたいことも定まってきて、

それにただ没頭する人生の段階に突入している。

いうなれば、still life(動かない人生)を生きている。



そして、ぼくもだんだん静物画のような、ことさらに主張しない人間になれたら、と思う。

もはやstill lifeは、人生の目的ですらあるようだ。




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